「はやぶさ2」のリュウグウ到着に、データ解析で貢献
理学研究科物理学専攻博士課程前期課程 亀田研究室 2年次 諸井圭市さん、1年次 石田茉莉花さん
2019/02/18
立教生のキャンパスライフ
OVERVIEW
2018年6月、小惑星探査機「はやぶさ2」が約3年半の宇宙の旅を経て小惑星リュウグウに到着した。その着陸をナビゲートしていたのが、理学部の亀田真吾教授が開発に携わった「光学航法カメラ」だ。宇宙から届くデータの解析には二人の大学院学生の活躍があった。
(左)高度20kmから光学航法カメラONC-Tで撮像されたリュウグウの画像(2018年6月30日) (右)恒星(画像中の白く光っている点)がたくさん写っている中から、リュウグウの衛星を探した。結果として、衛星が存在しないということを示した ⓒJAXA、東京大、立教大など
「『はやぶさ2』がリュウグウで試料を採取するためには、まず着陸する必要があります。搭載された『光学航法カメラ』の仕事は、リュウグウに接近する際に周囲に衛星があるかないかを確認すること。次に含水鉱物や有機物の分布を観測して着陸地点の判断に貢献することでした」と亀田研究室の諸井圭市さん。研究室の石田茉莉花さんと共に、カメラが撮影した画像データの解析を担った。
二人は学部学生の頃から「はやぶさ2」プロジェクトに関わっている。
「大学では宇宙について勉強したいと考え、情報を集めていたところ、立教大学の理学部物理学科が宇宙関連に強いことを知って受験しました。入学後の授業では、宇宙分野の最前線で活躍されている教授陣が、それぞれの研究テーマに関連して講義を行う『宇宙地球系物理学概論』に毎回胸を躍らせていたことを覚えています。その中で亀田先生の研究室は、実験や解析によって宇宙の研究ができることに魅力を感じました」と諸井さん。
気温や湿度、ホコリの量などの状 態を監視して、安定かつきれいな環境を保つようにコントロールされている実験室(クリーンルーム)。「はやぶさ2」打ち上げ前の光学航法カメラの試験(14年)などを行っている
8月に池袋キャンパスで行われた「はやぶさ2」プロジェクト関連の記者説明会には諸井さんも参加し、衛星探索のデータ解析について報告した。今後も二人は、今回得られた画像のデータ解析を通して、まだ誰も発見していない太陽系や地球の謎に迫りたいと目を輝かせる。
模擬実験用の装置
18年8月30日の記者説明会終了後の様子。写真右が諸井さん、左から2番目が亀田教授
※本記事は季刊「立教」247号(2019年1月発行)をもとに再構成したものです。定期購読のお申し込みはこちら
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