フランスと日本を往来する中で芽生えた仕事への情熱
シャネル合同会社 野間 晶子 さん
2023/01/11
立教卒業生のWork & Life
OVERVIEW
世界を代表するラグジュアリーブランド、シャネル。本社のあるフランスと日本を頻繁に行き来しながら、マーケティング部のディレクターとして活躍するのが野間晶子さんだ。
※1
フランスに興味を持ったのは高校時代だった。
「最初は必修科目として接したフランス語でしたが、発音の響きが美しく心ひかれていきました」
大学で専門的に学びたいと思い、フランス語を専攻できる立教大学文学部を志望。立教の校舎の美しさも入学意欲を後押ししたという。
1年次の夏休みには初めてのフランス留学にチャレンジした。
「地下にワインセラーがあるボルドーの温かいご家庭にホームステイし、本当に素敵な体験でした。でも自分のフランス語が想像以上に通じなかったのが悔しくて……。それがきっかけでやる気に火が付き、帰国後さらにフランス語の学びに力を入れました」
「最初は必修科目として接したフランス語でしたが、発音の響きが美しく心ひかれていきました」
大学で専門的に学びたいと思い、フランス語を専攻できる立教大学文学部を志望。立教の校舎の美しさも入学意欲を後押ししたという。
1年次の夏休みには初めてのフランス留学にチャレンジした。
「地下にワインセラーがあるボルドーの温かいご家庭にホームステイし、本当に素敵な体験でした。でも自分のフランス語が想像以上に通じなかったのが悔しくて……。それがきっかけでやる気に火が付き、帰国後さらにフランス語の学びに力を入れました」
※1 立教大学時代は長期休暇のたびに海外へ足を運んだ
3年次には1年間の長期留学に挑戦。
「留学中、ある時から急にフランス語が全部聞き取れるようになっていたんです。立教で学んでいた基礎があったからこそだと思います」
フランス文学科では言語にとどまらず、フランスの文化や文学、思想を学んだ。
「言葉の背景にある歴史や文化に触れ、『こんなにも奥深くて面白いんだ』という新鮮な発見がありました。いまもアートは大好きで、大学での幅広い学びが現在につながっていると実感します」
留学以外にも趣味で海外旅行を数多く経験し、大学時代だけで20カ国ほど訪れたという。
「留学や旅行に一緒に行った立教の同級生とは今でも親友です」
「留学中、ある時から急にフランス語が全部聞き取れるようになっていたんです。立教で学んでいた基礎があったからこそだと思います」
フランス文学科では言語にとどまらず、フランスの文化や文学、思想を学んだ。
「言葉の背景にある歴史や文化に触れ、『こんなにも奥深くて面白いんだ』という新鮮な発見がありました。いまもアートは大好きで、大学での幅広い学びが現在につながっていると実感します」
留学以外にも趣味で海外旅行を数多く経験し、大学時代だけで20カ国ほど訪れたという。
「留学や旅行に一緒に行った立教の同級生とは今でも親友です」
好きな国、好きなモノにつながりを求めて
就職活動でもフランスとつながりのある企業を志望した。同国発のブランドや雑誌社の選考を受け、ルイ・ヴィトンジャパンへの入社が決定。
店舗で販売を数年経験した後、在庫管理や流通を担うサプライチェーン、商品買い付けなどを行うマーチャンダイジングを担当。仕事は順調だったが、入社10年が過ぎた頃に転機が訪れる。
店舗で販売を数年経験した後、在庫管理や流通を担うサプライチェーン、商品買い付けなどを行うマーチャンダイジングを担当。仕事は順調だったが、入社10年が過ぎた頃に転機が訪れる。
パリ勤務中にスイス・ジュネーブのオフィスを訪ねる(2020年)
「この業界では転職をして多様な経験を積む人が比較的多くいます。一度きりの人生なので私もいろいろなことにチャレンジしてみたいと思うようになりました。そんな時、縁があってシャネルに転職したのです」
新天地では一貫して、時計やジュエリーといった商品のマーケティングを担当。
「フランスで開発された商品をどのように日本で販売していくか。パリの本社が考えている戦略を理解し、それをどのように日本にローカライズさせていくか。そういったことを中長期的な視点で考えています。マーケティングは領域が幅広く、また時代によって変化していく面白さがあります」
本業の傍ら、「Fondation CHANEL」という女性支援を主とした社会貢献活動や社内のCSR活動にも関わった。やりたいことに積極的に挑戦する姿勢は、大学時代から一貫している。
長年、ラクジュアリーブランドに身を置く野間さんだが、入社当初からは思いも寄らない心境の変化があったという。
新天地では一貫して、時計やジュエリーといった商品のマーケティングを担当。
「フランスで開発された商品をどのように日本で販売していくか。パリの本社が考えている戦略を理解し、それをどのように日本にローカライズさせていくか。そういったことを中長期的な視点で考えています。マーケティングは領域が幅広く、また時代によって変化していく面白さがあります」
本業の傍ら、「Fondation CHANEL」という女性支援を主とした社会貢献活動や社内のCSR活動にも関わった。やりたいことに積極的に挑戦する姿勢は、大学時代から一貫している。
長年、ラクジュアリーブランドに身を置く野間さんだが、入社当初からは思いも寄らない心境の変化があったという。
人生は短く、一度きり。だからこそ、大切な人を大切に。
「社会人になって6年ほど経った頃に仕事の面白さを感じ、仕事にのめり込むようになりました。そして、人の役に立ちたいと一生懸命働いていたら、見ていてくれる方がいて管理職としてチャレンジする機会を得ました。そうすると新たに学ぶことが多く、仕事の難しさや深み、魅力に改めて気付き、仕事はさらに楽しくなったのです。学生時代は自分がこのようにキャリアを積むとは思ってもいませんでした」
そうなった要因として「人の影響が大きい」と話す。
「女性が活躍している業界である上に、周りに格好良い女性が多かったんです。日本・フランスを問わず、一緒に仕事をする中で親しくなり、プライベートの付き合いにまで発展する人もたくさんいました。憧れる存在が多い環境だったので自分も仕事を頑張りたくなってしまうんです」
近年も人とのつながりの尊さを再認識する出来事があったという。
「2020年、コロナ禍の真っ只中、ロックダウン中のパリで一人寂しく誕生日を迎えたのですが、仲間がプレゼントを袋一杯に詰めて届けてくれました。一人で気分が落ち込んでいる時だったので、心のこもった品々にものすごく励まされました」
野間さんの好きな言葉は「一期一会」。
「昔から一つ一つの出会いを大切にしてきました。その根底には17歳で母を亡くしたことから『人生は短く、一度きり』という思いがあります。いつ何が起きるか分からない。だからこそ、大切な人を大切にしたいと常に思っています」
そうなった要因として「人の影響が大きい」と話す。
「女性が活躍している業界である上に、周りに格好良い女性が多かったんです。日本・フランスを問わず、一緒に仕事をする中で親しくなり、プライベートの付き合いにまで発展する人もたくさんいました。憧れる存在が多い環境だったので自分も仕事を頑張りたくなってしまうんです」
近年も人とのつながりの尊さを再認識する出来事があったという。
「2020年、コロナ禍の真っ只中、ロックダウン中のパリで一人寂しく誕生日を迎えたのですが、仲間がプレゼントを袋一杯に詰めて届けてくれました。一人で気分が落ち込んでいる時だったので、心のこもった品々にものすごく励まされました」
野間さんの好きな言葉は「一期一会」。
「昔から一つ一つの出会いを大切にしてきました。その根底には17歳で母を亡くしたことから『人生は短く、一度きり』という思いがあります。いつ何が起きるか分からない。だからこそ、大切な人を大切にしたいと常に思っています」
変わらない立教の校舎はまさにヨーロッパ的
立教で学んだ経験は、現在グローバル企業で働く上で、しっかりとした土台となっている。
「留学や海外旅行はもちろん貴重な経験でしたが、国際的な視野を持っている人が周りに多かったことも幸運でした。さまざまな考え方に刺激を受け、多様性を受け入れるマインドが培われたと思います」
それは現在、部下やチームをマネジメントする際にも生きている。
「強いカリスマ性で引っ張っていくリーダーもいますが、私はメンバーの思いを受け入れ、それぞれの長所を引き出すことを大切にしています。どんな立場の人にもリスペクトの気持ちを持って接することが、世界の多様な人と協働する上で重要だと実感します」
グローバルな活躍を目指す後輩へのアドバイスを聞くと「恐れないことが第一です」と即答してくれた。
「恥ずかしいことなど何もありません。全てなるようになるので、まずは飛び込んでみることが大事です。私の場合、その原点は大学1年次の時の留学でした。そして、何かに挑戦する時に支え合える仲間がいると、いろいろなことがうまくいく気がします」
「立教生には独特の温かさや柔軟性がある」と語る野間さん。立教のキャンパスへの思い入れも強い。
「久しぶりに池袋キャンパスに来ましたが、校舎の外観がまったく変わっていないことに驚きました。でも内側は改装されてきれいになっている。古き良きものを大切にし、外観は変えずに中身だけ変えるというのは、まさにヨーロッパ的な考え方だと思います。池袋というにぎやかな街の中で、まったく違う落ち着きがあるのも立教の特徴ですね。緑と静けさがあって、学ぶのに最適な環境ではないでしょうか。この素敵なキャンパスが、いつまでも変わらないでほしいと思います」
「留学や海外旅行はもちろん貴重な経験でしたが、国際的な視野を持っている人が周りに多かったことも幸運でした。さまざまな考え方に刺激を受け、多様性を受け入れるマインドが培われたと思います」
それは現在、部下やチームをマネジメントする際にも生きている。
「強いカリスマ性で引っ張っていくリーダーもいますが、私はメンバーの思いを受け入れ、それぞれの長所を引き出すことを大切にしています。どんな立場の人にもリスペクトの気持ちを持って接することが、世界の多様な人と協働する上で重要だと実感します」
グローバルな活躍を目指す後輩へのアドバイスを聞くと「恐れないことが第一です」と即答してくれた。
「恥ずかしいことなど何もありません。全てなるようになるので、まずは飛び込んでみることが大事です。私の場合、その原点は大学1年次の時の留学でした。そして、何かに挑戦する時に支え合える仲間がいると、いろいろなことがうまくいく気がします」
「立教生には独特の温かさや柔軟性がある」と語る野間さん。立教のキャンパスへの思い入れも強い。
「久しぶりに池袋キャンパスに来ましたが、校舎の外観がまったく変わっていないことに驚きました。でも内側は改装されてきれいになっている。古き良きものを大切にし、外観は変えずに中身だけ変えるというのは、まさにヨーロッパ的な考え方だと思います。池袋というにぎやかな街の中で、まったく違う落ち着きがあるのも立教の特徴ですね。緑と静けさがあって、学ぶのに最適な環境ではないでしょうか。この素敵なキャンパスが、いつまでも変わらないでほしいと思います」
※本記事は季刊「立教」262号(2022年11月発行)をもとに再構成したものです。バックナンバーの購入や定期購読のお申し込みはこちら
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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プロフィール
PROFILE
野間 晶子
時計・宝飾本部マーケティング部 ディレクター
2001年 文学部フランス文学科卒業(現・文学部文学科フランス文学専修)
大阪府出身。2001年、ルイ・ヴィトン ジャパン入社。
2011年、シャネル合同会社入社。時計・宝飾本部 マーケティング部 ディレクターとして、日本を拠点に活動し、フランスでの勤務を経験。「Fondation CHANEL」が行う社会貢献活動のサポートや社内CSR活動も経験。