公開講座「祭儀と信仰の間」
INFORMATION
古代宗教において、神殿、祭儀、信仰の三者の間には密接な関係があった。本講演会では、一神教史の流れの中で、ユダヤ教から分岐・発展した二つの宗教、ラビ・ユダヤ教と異邦人キリスト教が、神殿を失い、その結果として祭儀をも失ってなお、強烈な唯一神信仰を維持しているのか、一方ではエルサレム第二神殿末期の神殿儀礼改革の影響という観点から、他方では異邦人のための使徒パウロの教会論とエルサレム神殿祭儀との関係から論じる機会とする。
講師
東京大学名誉教授
市川 裕 氏
1953年生まれ。東京大学法学部卒。1986年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期取得退学。2004~2019年、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。
単著:『ユダヤ教の精神構造』(東京大学出版会、2004年)、『ユダヤ教の歴史』(山川出版社、2009年)、『ユダヤ人とユダヤ教』(岩波書店、2019年)、『ユダヤ的叡智の系譜—タルムード文化論序説』(東京大学出版会、2022年)。編著書:『図説 ユダヤ教の歴史』(河出書房新社、2015年)。共編書:『ユダヤ人と国民国家—「政教分離」を再考する』(岩波書店、2008年)等。訳書多数。
日本同盟基督教団中原キリスト教会牧師、東京神学大学等講師
山口 希生 氏
1970年生まれ。早稲田大学法学部卒。1997年、セント・アンドリュース大学より哲学博士号取得(新約聖書学)。
著書:『ユダヤ人も異邦人もなく:パウロ研究の新潮流』(新教出版社、2023年)、『「神の王国」を求めて:近代以降の研究史』(ヨベル、2020年)等。訳書:リチャード・ボウカム『聖書とエコロジー』(いのちのことば社、2022年)、N.T.ライト『新約聖書と神の民:キリスト教の起源と神の問題(上・下)』(新教出版社、2015年、2018年)等。