過去のイベント情報英語教育研究所

2024年度

2024.07.11 公開講演会「コーパスと言語習得研究」※事前申込要
日時:
2024年7月11日(木)17:00~18:30

場所:
立教大学池袋キャンパス 5号館3階 5323教室

内容:
言語習得研究の究極の目的は「習得のメカニズム」を明らかにすることであるが、その際、様々な現象の普遍性と個別性、そしてなぜそのような現象が観察されるのかを説明をすることが理論構築上重要になってくる。講演では、コーパスを使った言語習得・処理・障害についての研究で「何がわかり、何がわからないのか」を中心に、テンス・アスペクト、使役辞、関係節、条件文などの例をとりあげ、理論構築において注意すべき点を考察する。

講師:
白井 恭弘氏(米国ケース・ウェスタン・リザーブ大学認知科学科教授)

司会:
森 聡美(立教大学異文化コミュニケーション学部教授、英語教育研究所所員)

主催:
立教大学英語教育研究所

共催:
立教大学異文化コミュニケーション学部
~学部公開講演会『言語と社会や文化を<つなぐ>:世界と切り結ぶ異文化コミュニケーション』の一環として~

対象:
学生、教職員、校友、一般

問合先:
立教大学英語教育研究所
[email protected] 
2024.07.09 公開講演会「外国語学習に成功する人、しない人~第二言語習得論への招待~」※事前申込要
日時:
2024年7月9日(火)17:00~18:30

場所:
立教大学池袋キャンパス 5号館2階 5223教室

内容:
第二言語習得(SLA)研究は外国語学習のメカニズムを科学的に明らかにすることを目的に、1960年代ごろから活発に研究を続けて来た比較的新しい学問分野である。講演ではSLA研究の観点から、外国語教育・学習をより効果的なものにするにはどうすればよいか、岩波科学ライブラリー「外国語学習に成功する人、しない人(改訂版、近刊)」の内容を紹介しながら検討する。主に、第二言語習得における個人差(学習年齢、適性、動機付け)に関する研究と、第二言語習得のメカニズムに関する研究について検討する。

講師:
白井 恭弘氏(米国ケース・ウェスタン・リザーブ大学認知科学科教授)

司会:
森 聡美(立教大学異文化コミュニケーション学部教授、英語教育研究所所員)

主催:
立教大学英語教育研究所

共催:
立教大学異文化コミュニケーション学部
~学部公開講演会『言語と社会や文化を<つなぐ>:世界と切り結ぶ異文化コミュニケーション』の一環として~

対象:
学生、教職員、校友、一般

問合先:
立教大学英語教育研究所
[email protected] 
2024.07.05 公開講演会「第一、第二言語におけるテンス・アスペクトの習得」※事前申込要
日時:
2024年7月5日(金)17:00~18:30

場所:
立教大学池袋キャンパス 10号館1階 X103教室

内容:
言語習得研究において、テンス・アスペクトを表す言語形式の研究は、1970年代より言語習得理論に貢献する重要な研究が多数行われて来た。このパネルディスカッションでは、この分野における最近の研究成果について、3人の研究者がそれぞれ(1)第二言語学習者による英語のテンス・アスペクト習得、(2)第二言語学習者による日本語のアスペクト形式「テイル」の習得、(3)同時バイリンガルにおける、英語・広東語の習得について、動詞タイプの影響(アスペクト仮説)、母語の影響(言語転移)などの要因がテンスアスペクトの習得にどのように影響するかについて発表し、討論を行う。

講師:
白井 恭弘氏(米国ケース・ウェスタン・リザーブ大学認知科学科教授)
西坂 祥平氏(お茶の水女子大学基幹研究院人文科学系助教)
ニューベリー・ペイトン ローレンス氏(成城大学社会イノベーション学部専任講師)

司会:
森 聡美(立教大学異文化コミュニケーション学部教授、英語教育研究所所員)

主催:
立教大学英語教育研究所

共催:
立教大学異文化コミュニケーション学部
~学部公開講演会『言語と社会や文化を<つなぐ>:世界と切り結ぶ異文化コミュニケーション』の一環として~

対象:
学生、教職員、校友、一般

問合先:
立教大学英語教育研究所
[email protected] 

2023年度

2023.11.07 公開講演会「Well-Being for Bilinguals : A Focus on Bilingual Language Development.」(バイリンガルにとってのウェルビーイングとは:二言語発達から考える)
日時:
2023年11月7日(火)17:00~18:30

開催方法:
ハイブリッド型開催(対面・オンライン)

対面会場:
立教大学池袋キャンパス 太刀川記念館3階 カンファレンス・ルーム

内容:
Many parents globally and in Japan raise their children in a bilingual environment. They may have questions and concerns about how their children will be able to deal with that bilingual setting, and they will want overall well-being for their children and their families. Harmonious Bilingual Development refers to well-being specifically in a bilingual setting. This talk explains how such well-being in bilingual development can be fostered.

世界でも日本においても多くの保護者がバイリンガル環境で子育てをしている。彼らは子ども達が実際にその複数言語環境に適応できるかどうか疑問や不安を抱きつつ、子ども達や家族全体におけるウェルビーイングを望んでいる。「調和的二言語発達」とは、このようなバイリンガル環境におけるウェルビーイングを指す概念である。本講演では二言語発達におけるウェルビーイングをどのように育むことができるかについて説明する。

※本講演会は、The Harmonious Bilingualism Network(HaBilNet)の資金援助を受けて開催いたします。

講師:
Annick De Houwer(アニック・デハゥワー)氏
(エアフルト大学名誉教授、The Harmonious Bilingualism Network(HaBilNet)代表、International Association for the Study of Child Language(IASCL)会長)

司会:
森 聡美
(立教大学異文化コミュニケーション学部教授、英語教育研究所所員)

主催:
立教大学異文化コミュニケーション学部

共催:
立教大学英語教育研究所

対象:
学生、教職員、校友、一般

申込:
参加費 無料
対面参加:事前申し込み 不要
オンライン参加:事前申し込み 必要

申込締切:
11月5日(日)

問合先:
立教大学 学部事務4課 異文化コミュニケーション学部担当
03-3985-4824
[email protected] 
2023.06.17 公開講演会「第二言語語彙習得研究の最前線:英語語彙の学習・教材・テスト」※事前申込要
日時:
2023年6月17日(土)13:00~18:00

開催方法:
Zoomのウェビナー機能を使用したオンライン開催

内容:
2020年施行の新学習指導要領では、高校卒業までに習得すべき単語数が従来の3000語から4000~5000語に増え、英語教育において語彙指導は関心を集めている。本シンポジウムでは、第二言語における語彙の学習・教材・テストに関する最新の研究成果を検討することで、効果的な英語語彙学習・指導に関する示唆を得ることを目的とする。具体的には、リスニングに必要な音声語彙力の定義・測定や、語彙学習を促進するタブレット用読解アプリケーションの開発・検証などについて議論する。

プログラム:
13:00 開会挨拶
13:10 招待講演「外国語リスニングに必要な音声語彙力の定義と測定」
14:05 研究発表「受容語彙サイズ測定における借用語の影響」
14:35 研究発表「外国語語彙学習フラッシュカードアプリの分析」
15:05 研究発表「日本語母語話者を対象とした英語コロケーションリストの開発と分析」
15:40 研究発表「日本における英単語集編纂史:受験用単語集成立までの道程」
16:10 研究発表「クラウドにより収集された第二言語語彙習得データの質:Cepeda et al.(2009)のオンラインによる追試」
16:40 招待講演「語彙学習を促進するタブレット用読解アプリケーションの開発と検証」
17:30 総合討論

講師:
中田 達也(立教大学異文化コミュニケーション学部教授、英語教育研究所所長)
内原 卓海 氏(東北大学国際文化研究科応用言語学講座専任講師)
柳沢 明文 氏(筑波大学人文社会系英語教育学サブプログラム助教)
熊谷 允岐(立教大学英語教育研究所特任研究員、茨城大学全学教育機構常勤講師)
相澤 彩子(立教大学異文化コミュニケーション研究科博士前期課程、聖心女子大学現代教養学部語学学習アドバイザー)
海津 泰雅(立教大学異文化コミュニケーション研究科博士前期課程)
相馬 紗也音(立教大学異文化コミュニケーション研究科博士前期課程)

主催:
立教大学異文化コミュニケーション学部、英語教育研究所

対象:
学生、教職員、校友、一般

申込:
事前申込要、参加費無料

問合先:
立教大学 学部事務4課 異文化コミュニケーション学部担当
03-3985-4824
2023.06.17 公開講演会、ワークショップ「台湾におけるEMIの新たな展開」※事前申込要
日時:
2023年6月17日(土)10:00~13:00

開催方法: 
ハイブリッド型(対面・オンライン)

対面開催場所:
立教大学池袋キャンパス 本館1階 1104教室

内容: 
講演(10:00~11:20)
Enhancing Bilingualism in Taiwan Higher Education: The Role of EMI(台湾の高等教育における2言語主義の強化:EMIの役割)
In 2021, the Taiwanese Government launched the Bilingual 2030 Policy with the aim of enhancing the competitiveness of younger generations and strengthening Taiwan's global connections. Higher education institutions play a crucial and pivotal role in the successful implementation of this policy. To achieve bilingualism, one of the most well-adopted approaches in higher education is the implementation of English as a Medium of Instruction (EMI).

This lecture will cover several issues related to the enhancement of bilingual education and the role of EMI. Firstly, an overview of the overarching visions and objectives of the bilingual policy will be discussed. Secondly, the roles of EMI in universities will be debriefed, including the benefits and challenges that come with its implementation. The benefits of EMI include the opportunity to improve the quality of education and research, enhancing internationalization efforts, and preparing students for a globalized job market. However, some of the challenges associated with EMI implementation include language barriers, cultural conflicts, and faculty and student resistance.

Finally, the lecture will conclude with a discussion on the future perspectives of this bilingual policy and the role of EMI in higher education. Overall, the lecture aims to provide a comprehensive understanding of the significance of bilingual education and the role of EMI in higher education, and how it can contribute to the growth and development of Taiwan's education system and society as a whole.

ワークショップ(11:40~13:00)
EMI empowerment : Strategies and practices from the Center for Bilingual Education (NTU)(EMIの促進:2言語教育センターの方策と実行)
In line with the Bilingual 2030 policy, National Taiwan University (NTU) established the Center for Bilingual Education (CBE) in 2021 with the aim of enhancing students' English proficiency, improving teaching quality and effectiveness, and promoting campus-wide internationalization. This workshop will delve into the specific strategies and practices implemented by CBE to achieve these goals across three dimensions : administration, faculty, and students.

The workshop will begin with an overview of the institutional support provided by CBE, including optimizing the bilingual campus and developing effective administrative policies. In addition, the workshop will explore the measures taken by CBE to empower EMI faculty, such as professional development opportunities and targeted support for instructors from various disciplines. Another key aspect of the workshop will be a discussion of curricular designs and student English activities. The workshop will cover how CBE prepares students for EMI-style classes.

Throughout the workshop, CBE will share experiences and feedback from stakeholders, providing insights and inspiration for other partner universities. Attendees can expect to come away with a deeper understanding of the strategies and practices that can be implemented to improve bilingual education and promote internationalization on their own campuses.

講師:
Chenhao Chiu(邱振豪)氏(Associate Professor Graduate Institute of Linguistics、Neurobiology and Cognitive Science Center National Taiwan University (NTU))

司会:
鳥飼 慎一郎(立教大学名誉教授、英語教育研究所所員、EMI科研プロジェクト代表)

使用言語:
英語(通訳なし)

主催:
立教大学英語教育研究所、科研EMIプロジェクト、異文化コミュニケーション学部

対象:
学生、教職員、一般

申込:
事前申込要、参加費無料

問合先:
鳥飼 慎一郎[email protected] 

2022年度

2023.03.06~10 公開講演会「日本のEMIは今後どうあるべきか—EUのEMI理論と実践に学ぶ」※事前申込要
日時:
2023年3月6日(月)~10日(金)13:00~16:30

開催方法・場所:
ハイブリッド型開催(対面・オンライン)
立教大学池袋キャンパス 11号館2階 A201教室

内容:
講演会 13:00~14:30/ワークショップ 15:00~16:30

3月6日(月)
・講演会「EUにおけるEMIの理論とその歴史的背景及び最近の変化」
EMIとは何なのか、なぜ始まったのか、なぜ多くの大学で採用され、何のためのEMIなのか、更には政治との関係、国際化、言語と専門性の統合、言語文化の多様性などの視点からを最新の資料を基に議論し、日本への示唆を含めてアジアにおけるEMIについて考えてゆく。

・ワークショップ「EMIの視点、経験、問題点を参加者と語る」
SWOT analysis (strengths, weakness, opportunities, threats in planning a new program)を用いて、高等教育機関におけるEMIを分析し、EMIの特性について参加者と議論をする。既にEMIを実践している参加者の経験や知見を分かち合う。講師陣もヨーロッパで自らが実践したEMIプログラムの経験を紹介し、日本でEMIを成功させるには本質的に何が重要なのかを、日本での調査結果を基に議論し、他のアジアの国々の事例からも学んでゆく。

3月7日(火)
・講演会「EMIプログラムをカリキュラムの国際化の一環として計画するには」
EMIを大学のカリキュラム全体の中にどう取り込めばよいのか、EMIを実践している教員に対し大学はどのような支援をすべきか、どのようなプログラムがEMIに向いているのか、実施に向けて準備すべきことなどについて、カリキュラムを国際化するという観点から、大学、プログラム、教員、学生の視点で大学を国際化する意義について論じてゆく。

・ワークショップ「EMIを使って大学のカリキュラムを国際化するための具体的な方法」
EMIを導入して大学のカリキュラムを国際化するには、LMS (Learning Management System)やIT機器などのインターネットの活用、多様な評価方法、学生からの期待、教員のやる気、教員研修などが重要な役割を果たす。これらの点につき具体的な事例を紹介し、共に議論をし、EMIに対する理解とEMIの実践力を高めてゆく。

3月8日(水)
・講演会「英語で教えるための準備」
EMIの授業は、教員や学生の第1言語を使って行う授業と本質的に異なる。EMIの授業が成功するには、お互いの英語力が高いことはもちろんであるが、第1言語を使った授業との違いを認識し、授業運営の仕方、教授法、授業内における社会的文化的な要素の違いなどを十分に配慮して授業計画を作成し、実施してゆくことが重要である。

・ワークショップ「初めてEMIで授業をする教員へのアドバイス」
EMIの授業を成功させるためには、授業計画全体の見直し、成績評価方法の改善、自己流の教え方からの脱却が必要となる。EMIを使った専門科目の授業ではどのような点が問題となる可能性が高いのかを具体的な事例を用いて解説し、これらの問題点を予めどう改善し、微調整して授業に臨めばよりよい結果に繋がるのかを考えてゆく。

3月9日(木)
・講演会「EMIの授業で教員が遭遇するであろう問題とその解決方法」
新たな授業を始めたり、既存の授業を変えてゆく過程で、問題は必ず発生するものである。EMIの授業で、教員はどのような問題に遭遇し、それを認識し、どう解決してゆけばよいのだろうか。様々なフィードバックをどう解釈し、問題解決に活用すべきなのか。教員としての能力をどう高めてゆけばよいのか、学生による授業評価をどう活用すればよいのかなどを具体的に解説してゆく。

・ワークショップ「EMIクラスでの問題の効果的な対処方法」
参加者がEMIのクラスの問題点を指摘し合い、その効果的な解決方法を一緒に考えてゆく。実際にEMIで教えているクラスのビデオを見ながら、教員の教え方の問題点を論じ合い、その解決方法を共に考え、よりよいEMIのクラスを作り上げてゆく。

3月10日(金)
・講演会「専門教員と言語教員によるティームティーチング」
専門科目を教える教員と英語を教える言語教員双方の強みを発揮して実践するティームティーチングはEMIの一つの形態である。大学はそれぞれの教員の立場を認識し、共通の目的に向かって新たな授業形態を構築してゆく協働作業をどう支援すべきかを論ずる。

・ワークショップ「専門教員と外国語教員がコラボする方法」
参加者全員で専門分野の教育と外国語教育の分野がどうコラボすればEMIのクラスを共同で展開できるのかを一緒に考えてゆく。そうすることで得られる多様で、遠大で、より国際的なメリットを認識し、どうすれば専門教員と外国語教員の専門性が相互に補完し合えるのかを考え、その授業計画を一緒に作ってゆく。

講師:
Patrick Studer 氏(チューリッヒ応用科学大学教授)
Paul Kelly 氏(チューリッヒ応用科学大学講師)

司会:
鳥飼 慎一郎(立教大学名誉教授、科研EMIプロジェクト代表、英語教育研究所所員、言語学博士)

使用言語:
英語(通訳なし)

主催:
立教大学英語教育研究所、科研EMIプロジェクト

対象:
学生、教職員、一般

申込:
事前申込要、参加費無料

申込締切:
2023年3月1日(水)
※オンラインでの参加を希望された方には、3月3日(金)に登録されたメールアドレスにZoom視聴のためのURL・ID等をお知らせします。6日~10日いずれも同じURL・IDを用います。

問合先:
鳥飼 慎一郎[email protected] 
2022.06.25 公開講演会「構文文法の考え方と英語教育への応用」
日時:
2022年6月25日(土)13:00~16:20

場所:
Zoomによるオンライン開催

内容:
第一部(13:00~14:30)文法が伝える意味とは何か?:構文文法の考え方
皆さんはJohn swam his horse in the pool.(ジョンは馬をプールで泳がせた)という文を見ると何か違和感を覚えませんか。swimを辞書で引くと「泳ぐ」という意味があるのに、泳いでいるのは主語のジョンではなく、目的語の馬です。また、そもそも、swimは目的語を取る動詞でしょうか。辞書とは違うswimの意味でも、なんとなく理解できてしまうはなぜでしょうか。この文を理解するために、どのような英語の知識を持っている必要があるでしょうか。
 本講義では、このような、よくよく考えてみると不思議な英語の文に対して「構文」という単位に注目しながら迫っていきます。語に意味があるように、構文にも意味があります。英語には二重目的語構文のような抽象度も複雑度も高いものから、単語のように抽象度も複雑度も低いものまで様々なタイプの構文があり、各構文は私たちの日常的な経験と深く結びついた意味を伝えます。構文がどのように習得され、どのように運用されるのかを見ていくことで、本講義では、構文を通して見えてくる私たち人間が持つ知識のありようについて一緒に考えていきたいと思います。

第二部(14:50~16:20)構文文法を教育に応用する
 第二部では、構文文法の英語教育への応用について考えていきます。構文文法は英語教育の場で大いに活用ができ、特に、文法を教える際に大いに役立ちます。例えば、皆さんは高校の英語の授業などで、I threw him the ball.のような二重目的語構文をI threw the ball to himのような他動詞構文に書き換える練習をしたことはないでしょうか。このような書き換え問題は、二つの文型が表す意味は大体同じという前提に立っています。しかし、この二つの文では表す事態が異なります。最初の文は、彼に向かって投げられたボールを彼が受け取ったことを表すのに対して、二つ目の文では、彼に投げられたボールを彼が実際に受け取ったかどうかまでは分かりません。構文文法では、文法も意味を伝えるという立場に立つため、無機質な書き換え問題の背後にある、豊かな意味の世界が見えてきます。
 本講義では、英語教育の現場で使える様々な構文を紹介しながら、構文がなぜそのような形や意味をしているのかという疑問に対して、言葉は現実世界を映し出す鏡のようなものだと考える類像性の観点から考えていきたいと思います。私たちが経験した世界が構文の形や意味に影響を与えるからこそ、書き換えが可能に見える文であっても、それぞれの構文が確固たる意味を持っていると言えます。

講師:
大谷 直輝氏(東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授)

司会:
鳥飼 慎一郎(立教大学名誉教授、科研EMIプロジェクト代表、英語教育研究所所員)

主催:
立教大学英語教育研究所、科研EMIプロジェクト

対象:
学生、教職員、一般

申込:
事前申込要、参加費無料

申込締切:
2022年6月23日(木)24:00
6月24日(金)に登録されたメールアドレスにZoom視聴のためのURL、ID等をお知らせします。

問合先:
鳥飼 慎一郎[email protected] 
2022.06.18 公開講演会「教えたけど、知っているのに、使えないのはなぜか?最新の第二言語習得(SLA)研究で分かってきていること」
日時:
2022年6月18日(土)10:00~11:30

場所:
Zoomによるオンライン開催

内容:
英語授業において、「教えたけど、生徒が英語を使えない」、また、「文法規則を知っているのに、使えない」という現象が頻繁に起こります。そして、なぜそのような現象が起こるのか?という問いに答えるためには、様々な知見を用いる必要があるでしょう。本講演では、第二言語習得(SLA)研究の一つの理論であるスキル習得理論(Skill acquisition theory)を中心に扱いながら、その答えを探ります。
教えたのに…知っているのに…使えない。だから、「教えない」、「知らなくていい」というような短絡的な結論に陥らず、なぜ使うようになるには時間がかかるのか、どのような学習メカニズムが働いているのか、使えるようになるために効果的な指導のコツは何か、などの問題をSLA研究の成果から考察します。特に、スキル習得理論に基づく近年の研究は、認知心理学における「学習の科学(Science of Learning)」の知見も検証・応用しながら発展しているため、そのような最近の研究動向も含めて議論します。

講師:
鈴木 祐一氏(神奈川大学国際日本学部准教授)

司会:
中田 達也(立教大学異文化コミュニケーション学部准教授・英語教育研究所所長)

主催:
立教大学英語教育研究所

対象:
学生、教職員、一般

申込:
事前申込要、参加費無料

申込締切:
2022年6月15日(水)17:00

問合先:
中田 達也[email protected] 

2021年度

2022.03.03~04 公開講演会「EUにおけるEMIの新たな展開」
日時:
2022年3月3日(木)、4日(金)16:00~18:00

場所:
Zoomによるオンライン開催

内容:
2022年3月3日(木)
講演1(16:00~16:50)
Reflections on EMI in Europe: From teaching content through English to language-rich classroom experiences(ヨーロッパにおけるEMIを振り返って:英語による専門科目の教授から、豊かな言語環境の教室での新たな体験へ)

In Europe, English-medium instruction has its roots in the late 1980s when the European Union launched its first exchange and mobility programme. English-medium instruction subsequently became an integral part of the European Higher Education Area in its effort towards compatibility and comparability of higher education systems across Europe. In this lecture, we are going to review the background of EMI since its introduction in Europe and critically review its thematic remit and expansion over the years. While initially embraced as a welcome opportunity for universities to increase their international standing, EMI has, in recent years, become an object of politicization. This development has led, in turn, to a conceptual expansion from EMI traditionally focusing on English only to the appreciation of a linguistically and culturally diverse classroom. Simultaneously, researchers began to explore the potential and boundaries of EMI as a didactic concept used to enhance foreign language experiences of students. In this lecture, we will address the following topics: Following a short historical timeline with figures illustrating the spread of EMI in Europe, we will outline an EMI competence framework developed in Switzerland (Studer 2018) which addresses different stages in the integration of language into a content classroom (classical EMI, ICLHE and CLIL). In this context, attention will be drawn to didactic concepts that lend themselves to successful teaching through English and, conversely, teaching practices will be highlighted that have proven difficult with the implementation of EMI.

講演2(17:20~18:00)
EMI quality intervention programmes(EMIによる質の高いプログラム)

With the widespread introduction of EMI, manifold practices across higher education institutions established themselves, which led to a multitude of ‘house solutions’ to local problems: some departments mandated that their lecturers spend a certain time abroad in an English-speaking environment, while others focused on their teachers taking language courses at home. While such measures were not only costly but also time-intensive, they did not guarantee the success of the implementation of English-medium programmes. Over time, language service units in HEIs developed quality intervention programmes with which a careful and phased implementation of EMI programmes could be planned, carried out and evaluated. In this lecture, we will present the rationale of our own quality intervention programmes. First, we will talk about the position of EMI within broader language and educational policy in HEIs in Switzerland, before focusing on the types of interventions we have been engaged in over the years and on the success our interventions have had.

2022年3月4日(金)
講演3(16:00~16:50)
The role of language(s) in EMI settings(EMIにおける言語の役割)
There are many different settings that go under the name of EMI. For example,
•Native English speaker to non-native English learners
•Non-native English speaker to non-native English learners (same mother tongue)
•Non-native English speaker to non-native English learners (different mother tongue)
•Native English speaker to mix of native- and non-native English learners
•Non-native English speaker to mix of native- and non-native English learners

This is not a comprehensive list, but it can immediately be seen that the language of the speaker, the language(s) of the learners, and the extent to which languages are shared are all components that play a significant role in EMI. None of these settings is automatically better than the others. Each has advantages and disadvantages, but it is important to be aware of what these are in order to minimize any potential problems. In addition, the English spoken by the teacher could be a particular native-speaker variety (e.g. American English) or it could be an international variety, such as English as a Lingua Franca (ELF). This again can play an important psychological role in the setting and has a significant didactic effect.
The aim of this session is to focus on the differences between these settings and to examine the potential of the interplay of languages in EMI situations. We will discuss the greater importance of a focus on successful communication (with all the different competences that this involves) in comparison with a narrow focus on accurate language use.

講演4(17:20~18:00)
Recognizing and addressing typical teaching problems in EMI(EMIで発生する典型的な問題とその対応方法)

There can be no doubt that changing the language of communication in the university classroom adds a disruptive dimension to the typical interaction between teacher and students. This disruptive element is not a negative one unless the teacher fails to recognize the various aspects that are involved in this change. The problems that teachers typically encounter often stem from this failure to recognize that, amongst other things, a) communication is about more than just language b) language is about more than just accuracy c) every content lecture, regardless of the language of delivery, involves teaching language to the students d) the language and skills that must be considered are not just the teacher’s but also the students’ and e) didactic skills have priority in every classroom.
The training and coaching that we offer in Switzerland focus on identifying and helping to solve problems that arise when teachers are faced with this change in the language of the classroom. This often involves highlighting both negatives (e.g. where and why communication breaks down, where and why interaction may not flow to the same extent as in the mother-tongue teaching situation, reduced teacher personality) and positives (e.g. more co-operative spirit in the classroom, more international flavor in the classroom, enhanced teacher personality).
The aim of this session is to identify potential pitfalls arising from a switch to English-medium instruction and ways in which these pitfalls can be avoided. Forewarned is forearmed!

講師:
パトリック・スツゥダー博士(Dr. Patrick Studer)チューリッヒ応用科学大学応用言語学科教授(Professor of Applied Linguistics, School of Applied Linguistic, Zurich University of Applied Sciences)
ポール・ケリー氏(Mr. Paul Kelly)チューリッヒ応用科学大学英語教育部門長(Lecturer, Head of English Language section, Zurich University of Applied Sciences)

司会:
鳥飼 慎一郎(立教大学名誉教授、EMI科研プロジェクト代表、英語教育研究所所員)

使用言語:
英語(通訳なし)

主催:
立教大学英語教育研究所

対象:
学生、教職員、一般

申込:
事前申込要、参加費無料

申込締切:
2022年3月1日(水)

問合先:
鳥飼 慎一郎[email protected] 
2021.11.20 公開講演会「Content-Based Instruction (CBI)とContent and Language Integrated Learning (CLIL)の理論と実践」
日時:
2021年11月20日(土)13:30~17:00

場所:
Zoomによるオンライン開催

内容:
講演1(13:30-15:00)
「なぜCBI/CLIL?理論的背景とその課題」
なぜ内容と言語を統合する必要があるのかを、第二言語習得の理論的枠組みやバイリンガル教育の実践から探る。またグローバル化を背景にした言語教育を実践するのに、なぜCBI/CLILが適切なのかを考えると同時に、CBIやCLILには多くの課題もあり、その問題点も検討する。

講演2(15:30-17:00)
「CBI/CLILとしてのEAP(English for Academic Purposes)とEMI(English Medium Instruction)の大学での実践」
大学レベルにおけるCBI/CLILの典型的な例であるEAPとEMIの実践に焦点を当て、どのようにカリキュラムを開発するのかを、都内の私大の例を共有しながら考察する。さらに、EAPやEMIコースを履修する学生の英語力や学習方略に触れ、教員の方略(e.g., input, output, interaction, translanguaging)についても考える。

講師:
原田 哲男氏(早稲田大学教育学部教授)

司会:
森 聡美(立教大学異文化コミュニケーション学部教授・英語教育研究所所長)

主催:
立教大学英語教育研究所

対象:
学生、教職員、一般

申込:
事前申込要、参加費無料

問合先:
森 聡美
[email protected] 
2021.06.12 公開講演会「「やる気」と「やり方」を考える—外国語学習の成否に関わる2つの要因について—」
日時:
2021年6月12日(土)13:25~17:00

場所:
Zoomによるオンライン開催

内容:
講演1(13:25~15:05)
外国語学習での動機づけを考える—学習意欲を高めるための10の方策

外国語学習の成否に影響を及ぼす学習者要因には、様々なものが考えられます。その中でも、もっとも大きな影響を与えるとされるのが動機づけ(motivation)です。本講演では、まず、動機や動機づけのメカニズム、動機づけ方略の役割などを、理論と実証データから概説していきます。その後、これまでの知見に基づき、外国語の教室場面で応用が出来る10の学習意欲を高めるための具体的な方策を提示し、今後の授業改善に資する提案を行ってみたいと考えています。時間が許せば、ポジティブ心理学との関わり(フロー理論、拡大・構築理論など)についても、言及してみたいと思います。

講演2(15:20~17:00)
外国語学習での方略を考える——過去からの知見と未来への提言

本講演では、第二言語の学習方略(strategy)研究と、その応用に焦点を当て、過去の研究を振り返り、現在の状況を確認し、今後の研究への方向性を示して行きたいと思います。はじめに、(1)学習成功者の研究、(2)学習方略の分類、(3)使用のバリエーション、(4)方略クラスター、および(5)方略指導の効果など、この分野の主要なトピックを概観していきます。次に、L2方略研究の問題点をまとめ、その解決策について議論します。続いて、方略の概念を自己調整(self-regulation)の概念に置き換えていくトレンドについて議論し、その利点と問題点を比較します。最後に、研究の方法論と教育への応用について取り扱い、学習方略研究の将来に関しても言及したいと考えています。

講師:
竹内 理 氏(関西大学外国語学部教授)

司会:
鳥飼 慎一郎(立教大学名誉教授、言語学博士、英語教育研究所所員)

主催:
立教大学英語教育研究所

対象:
学生、教職員、一般

申込:
事前申込要、参加費無料
申込締切:6月9日(水)

問合先:
鳥飼 慎一郎
[email protected] 

2019年度

2019.07.22 公開講演会「キャンパス国際化の挑戦:関西大学の取組み」
日時:
2019年7月22日(月)16:00~17:30

場所:
立教大学 池袋キャンパス 太刀川記念館3階 カンファレンス・ルーム

内容:
関西大学では、2014年にキャンパスの国際化を目指す構想、Intercultural Immersion Initiatives(トリプル・アイ構想)を策定し、イマージョンを合言葉に、教育・研究を通して多様な言語・文化・価値観を理解し、それらに対応できる人材の育成に取り組んでいます。英語で専門の授業を行うKUGF(Kansai University Global Frontier)科目群、異文化異言語間の交流を目指すMi-Room(Multilingual Immersion Room)、インターネット回線を使って海外の大学との共同授業を行うCOIL(Collaborative Online International Learning)、その相手校に留学するCOIL+など、そこから生まれてきたプログラムとともに、関西大学での国際化の動きを紹介します。

講師:
山本 英一氏(関西大学教授)

主催:
立教大学英語教育研究所

共催:
立教大学異文化コミュニケーション学部

対象:
学生、大学院生、教職員、一般
※入場無料、申込不要

問合先:
鳥飼慎一郎(立教大学名誉教授、英語教育研究所所員 E-mail: [email protected]
2019.07.13 公開講演会「20世紀におけるSLAの軌跡と21世紀における課題と展望」
日時:
2019年7月13日(土)13:30~17:00

場所:
立教大学 池袋キャンパス 11号館3階 A301教室

内容:
第1部(13:30~15:00)
「SLAは人間の言語習得をどこまで明らかにしたのか」
第1部では(1)SLA研究とはどのような研究分野であるのか、(2)1960年代に始まったとされる研究領域がどのような発展を遂げてきたのか、(3)どのようなアプローチで解明が試みられてきたのか、(4)今、主流のアプローチは何なのか、(5)どこまで明らかになったか、について解説します。また、グループワークを通して、第二言語習得のプロセスを解明するデータ分析の楽しさと興味深さを味わって頂きます。

第2部(15:20~17:00)
「SLAの直面している課題は何か、それをどのように解明しようとしているのか」
第2部では、(1)今ではSLA研究の主流となった教室における第二言語習得(Instructed Second Language Acquisition: ISLA)とはどのようなアプローチであるのか、(2)何が研究課題なのか、(3)主な研究トピックはどのようなものがあるか、(4)喫緊の課題は何か、(5)課題探求のためにどのような問題を解決しなくてはならないのか、について解説および問題提起します。また、参加者の皆様には、所属校ではどのような対応が可能かグループでディスカッションして頂きます。

講師:
佐野 富士子氏(常葉大学特任教授、前横浜国立大学教授)

主催:
立教大学英語教育研究所

対象:
学生、大学院生、教職員、一般

問合先:
鳥飼慎一郎(立教大学名誉教授、英語教育研究所所員 E-mail: [email protected]
2019.05.18 公開講演会「単語の向こうにあるもの:語彙と文法におけるパターンを探る」
日時:
2019年5月18日(土)13:30~17:00

場所:
立教大学 池袋キャンパス 8号館5階 8506教室

講師:
Randi Reppen氏(北アリゾナ大学教授)

内容:
現実の言語使用では、語は他の語との関係性の中で使用されていることが多い。語と語の結びつきを示すコロケーション、複数の語が束のようになって使用されている複数語表現などがそのよい例である。講演では、会話、アカデミックなライティング、教科書など異なる言語使用域において、使用域が変わるとそこで使用される語同士の関係性やパターンがどのように変わるのかを詳しく見て行く。その上で、英語教育において複数語の束やコロケーションをどのように教材化すべきかについて検討する。最後に、同じようなパターンの複数語の束であってもas well asのようにどの言語使用域でも頻繁に使用されるものもあれば、使用域によってその一部を入れ替えて使われるas well as、as quickly as、as tall as、as important asなどもある。このような例から、使用域と言語使用の関係を考察し、言語教育における研究と教育との関係を具体的に論じて行く。

言語
英語(通訳なし)

主催:
立教大学英語教育研究所、異文化コミュニケーション学部

対象:
学生、大学院生、教職員、一般
※入場無料、申込不要

問合先:
鳥飼慎一郎(立教大学英語教育研究所所員 E-mail: [email protected]

2018年度

2018.11.24 公開講演会「コーパス言語学の多面的有用性」
日時
2018年11月24日(土)13:30~15:00

場所
立教大学池袋キャンパス本館1204教室

講師
Randi Reppen氏(北アリゾナ大学教授)

内容
本講演では、コーパス言語学が貢献できる3つの分野を通して、コーパス言語学とはどのような学問なのかを紹介していきます。
1番目は言語習得分野に対するコーパス言語学の貢献についてです。英語を第1言語あるいは第2言語とする8歳から12歳の生徒たちの言語発達に関して、これまでコーパス言語学が上げた研究成果を紹介します。
2番目は言語処理に関する分野についてです。我々はどのように言語を処理しているのでしょうか。言語教育への示唆も含めて、コーパス言語学がこれまで解明してきた事柄を紹介します。
3番目は言語教育の分野についてです。コーパス言語学は言語教育にどのような研究成果を提供できうるのか、現実の言語使用におけるパターンを反映させた教材やアクティビティの制作にどれほど有意な情報を提供できるのか、など具体的な事例を上げて紹介していきます。

言語
英語(通訳なし)

主催
立教大学英語教育研究所、立教大学異文化コミュニケーション学部

対象
学生、教職員、一般

問合先
鳥飼慎一郎 Ph.D.(立教大学異文化コミュニケーション学部教授、同研究科教授、英語教育研究所所長 E-mail: [email protected]

※申込不要、入場無料
2018.10.27 公開講習会・ワークショップ「学習英英辞典の歴史・特徴・使い方」
日時
2018年10月27日(土)13:30~16:30

場所
立教大学池袋キャンパス8号館8506教室

講師
山田 茂氏(早稲田大学商学部教授)

内容
学習英英辞典を使いこなすためには、その発達の過程、主な特徴、検索プロセスに関する知識が有用です。本講演では前半の理論編で、1942年により日本で出版された『Idiomatic and Syntactic English Dictionary(ホーンビー他、開拓社)』に端を発する学習英英辞典の発達の過程を、文法コード、定義語義、サインポスト、文定義、コーパス準拠(頻度情報、実例)などの主な特徴に焦点を当てて概観します。後半のワークショップ形式の実践編では、複数のウェブ学習英英辞典を検索し、実際の検索プロセスにおいて上記のような特徴がどのような意味を持つか検討してみます。

主催
立教大学英語教育研究所

対象
学生、教職員、一般

問合先
鳥飼慎一郎 Ph.D.(立教大学異文化コミュニケーション学部教授、同研究科教授、英語教育研究所所長 E-mail: [email protected]

※申込不要、入場無料
2018.06.23 公開講演会「パフォーマンスウォッチング活動」
日時
2018年6月23日(土) 13:30~15:00

場所
立教大学池袋キャンパス8号館8506教室

講師
野田 眞理氏(オハイオ州立大学東アジア言語文学科教授、博報財団「国際日本研究フェローシップ」の招聘研究者)

内容
数年前から、パフォーマンスウォッチングという活動が日本語教育や教師教育の場で取り入れられています。本講演では、パフォーマンスという概念、パフォーマンスウォッチングの手法をお話しし、この手法を教師教育に用いた例、日本語や中国語教育に用いた例を検証します。パフォーマンスという概念は、私たちの言語生活に密着したものであり、言語のみを切り離して取り扱うのではなく、あくまでも社会・文化の中で人々が互いに関わり合いながら、関わり方を模索し、創作し、変化させていくプロセスの一環ととらえます。  
外国語教育においては、言語を習うというより、ある文化の中でできるパフォーマンスのレパートリーを広げることを目指すという考え方をパフォームド・カルチャーと呼んでいます。パフォーマンスウォッチングも、単に言語を拾うのではなく、パフォーマンス全体を観察する活動です。講演者は、外国人による日本語弁論大会の入賞スピーチの研究においても、パフォーマンスという視点から観察しておられます。

主催
立教大学英語教育研究所、立教大学異文化コミュニケーション学部

対象
本学学生、大学院生、教職員、一般

問合先
鳥飼慎一郎 Ph.D.(立教大学異文化コミュニケーション学部教授、同研究科教授、英語教育研究所所長 E-mail: [email protected]

※申込不要、入場無料

2017年度

2017.10.07 Brigitte Halford教授公開講演会 第3講、第4講
日時
2017年10月7日(土) 13:30~16:30

場所
池袋キャンパス14号館D301教室

講師
Prof. Dr. Brigitte Halford (Department of English – Linguistics, University of Freiburg)

演題および内容
テーマ:多言語主義
第3講:多言語主義が個人に及ぼす効果:認知および態度から見た
2言語以上が使用される環境の中で子供が成長することは例外的ではなく、むしろ一般的なことである。そのような子供たちが多数派であるにもかかわらず、これまで研究者はそれを例外的であると考えてきた。そのため、2つの言語を使用しながら子供が成長すると子供はどのような影響を受けるのかが研究の中心であった。バイリンガルな子供はどのようなリスクを持っているのか、認知的に見てどのようなメリットがあるのか、知的か否か、多言語を運用する能力は認知能力の発達や態度にどのような効果を及ぼすのか、これらの点は多方面から研究され、その結果は、様々な悪影響を及ぼすという警告から、すばらしい効果をもたらすという幻想に近いものまで数多く報告された。今日では、神経科学、心理学、言語学の分野の研究のめざましい発展により、研究者の関心は、多言語使用の知能に対する影響、その善し悪し、どの程度影響するのか、といった単純なものから、バイリンガルがいかに認知パターンや心理学的な態度に与える影響への研究など多岐に渡るものに変化してきているのである。

第4講:ヨーロッパにおける社会的多言語主義の諸形態:状況や政策から見た
ドイツ、スイス、ベルギー、ルクセンブルクを例に取り、ドイツ語や英語の地位や使用に焦点を当て、ヨーロッパにおける社会的多言語主義の諸形態について論じてゆく。ドイツは伝統的に単一言語による国民国家的なイデオロギーの国であり、少数言語はある特定の地域のみにしか使用されてこなかった。そのようなドイツと、スイス、ルクセンブルク、ベルギーとを多言語主義の観点から比較してゆく。講義では、これらの3国における社会的多言語主義の歴史的なルーツ、言語立法や教育政策、多言語がもたらす問題や衝突への対応を概観し、その上で学術、ビジネス、政治の面でリンガフランカとして一層重要度を増している英語の影響について、比較対照してゆく。

主催
立教大学英語教育研究所

共催
立教大学異文化コミュニケーション学部

対象
学生、大学院生、教員、及び一般

使用言語
英語(通訳なし)

問合せ
鳥飼慎一郎 Ph.D.(立教大学異文化コミュニケーション学部教授、同研究科教授、英語教育研究所所長、全学共通カリキュラム英語研究室主任 E-mail: [email protected]

※申込不要、入場無料
2017.09.30 Brigitte Halford教授公開講演会 第1講、第2講
日時
2017年9月30日(土) 13:30~16:30

場所
池袋キャンパス14号館D301教室

講師
Prof. Dr. Brigitte Halford (Department of English – Linguistics, University of Freiburg)

演題および内容
テーマ:言語接触
第1講:多様な言語との接触に彩られた英語の歴史:言語発達を中心とした
ゲルマン民族がブリテン諸島に到達以降、英語は数多くの言語から社会文化的、政治的な影響を受けて発達してきた。英語はその語彙、正書法、文法、音韻体系などにおいて、ラテン語、北欧祖語、フランス語、さらには移民たちがもたらした多数の言語から多大な影響を受け、その痕跡は現在の英語においても見出しうる。本講では、英語という言語が音素を基にした正書法やゲルマン語系の語彙から成りたっていた言語から、複雑な正書法と豊かな語彙を有する言語へと変化してきた歴史を概観し、その変化の過程において多くの言語との接触があったことを見てゆく。

第2講:言語接触の場における言語とアイデンティティ:話し手を中心とした
我々のアイデンティティは常に一定ではなく、変化に富み他者とのコミュニケーションの中で活性化され、強調され、形成されていくダイナミックなものである。年齢、国籍、性別といった属人的な要素ですら他とのコミュニケーションの中で形作られてゆくものである。その中でも特に言語は、話し手のアイデンティティを形成する上で最も重要な要因であり、複数の言語あるいは言語変種を話す者は、アイデンティティを形成する要因がその分多様であることを意味する。本講では、多言語使用者のアイデンティティがどのように形成されるのかを、個人的な関係、地域社会との関係、そして国家レベルでの関係の中で、具体的な例を取り上げて考えてゆく。その上で、多言語の中でアイデンティティが変化してゆくダイナミズムをどうとらえてゆくべきか、その枠組みを提示してゆくつもりである。

主催
立教大学英語教育研究所

共催
立教大学異文化コミュニケーション学部

対象
学生、大学院生、教員、及び一般

使用言語
英語(通訳なし)

問合せ
鳥飼慎一郎 Ph.D.(立教大学異文化コミュニケーション学部教授、同研究科教授、英語教育研究所所長、全学共通カリキュラム英語研究室主任 E-mail: [email protected]

※申込不要、入場無料
2017.06.24 公開講演会「アメリカ合衆国の大学教育国際化政策とオハイオ州立大学の外国語教育」パート3/パート4
日時
2017年6月24日 (土) 13:30~16:30

場所
立教大学池袋キャンパス 14号館5階D501教室

講師
湯浅 悦代 氏(オハイオ州立大学東アジア言語文学学科准教授)

内容
パート3:Performed-culture approachの理論的背景と概要
Performed-culture approach(Christensen 2007; Christensen and Noda 2002; Walker 2000, 2010; Walker and Noda 2000)は、言語を習得するということは「文化を学ぶこと」、そして「その文化の中での様々な記憶と経験を構築することである」と考えるオハイオ州立大学の日本語プログラム全体で採用している外国語教授法の一つである。このアプローチでは、外国語でコニュニケーションを行うというということは、その文化の中で「パフォームすること」であると捉え、”Language in Culture”の宣言的知識(declarative knowledge)と手続き的知識(procedural knowledge)の構築を目指す。本講演では、このアプローチの理論的背景と概要の説明を行う。

パート4:Performed-culture approach(ワークショップ形式)
本ワークショップでは、パート3で見たPerformed-culture approachがどのようにカリキュラムとして成り立っているかについて述べる。さらに、どのように学習者に外国の文化の中で
「パフォームする」ことを習得させることができるか
(手続き的知識を構築させることができるか)についての実践的テクニックを紹介する。
2017.06.17 公開講演会「アメリカ合衆国の大学教育国際化政策とオハイオ州立大学の外国語教育」パート1/パート2
日時
2017年6月17日 (土) 13:30~16:30

場所
立教大学池袋キャンパス 14号館5階D501教室

講師
湯浅 悦代 氏(オハイオ州立大学東アジア言語文学学科准教授)

内容
パート1:大学教育における国際化、地域研究、外国語教育:アメリカ事情
国境を越えて国際交流を促進するためには、パートナー校、パートナー国のローカルコンテクストを知ることが大切である。そこで、本講演の最初では、アメリカの大学教育の国際化、地域研究、外国語教育に大きな役割を担っているアメリカ合衆国教育省のタイトルVIグラント(スーパーグローバル大学創成支援に匹敵)にサポートされているNational Resource Centerの紹介を行う。

パート2:オハイオ州立大学における国際化、地域研究、外国語教育の試み
パート2では、パート1で見たようなコンテクストの中、オハイオ州立大学で実際どのように大学教育の国際化、地域研究、外国語教育に取り組んでいるかについて報告する。オハイオ州立大学の外国語教育では、学習者が国際社会で実際使えるコミュニケーション力を習得できるようにコミュニケーションの宣言的知識(declarative knowledge)と手続き的知識(procedural knowledge)の構築を目指している。また、外国語学習者の多様化するニーズに対応するためにindividualized instruction、differentiated instructionのコースも開設している。カリキュラムの国際化を進めるためには、地域研究(日本研究)の担う役割が大きい。地域研究の業績を大学外部へ還元するために行っている中学、高校教員のためのセミナー、ビジネスコミュニティー向けセミナーなどについても報告する。

※申込不要、入場無料
2017.05.27 公開講演会「英語教育の情報化:我々は今どこまで来たのか」
日時
2017年5月27日(土)13:30~16:30

場所
立教大学池袋キャンパス 8号館5階 8506教室

講師
原田 康也 氏(早稲田大学法学学術院教授・情報教育研究所所長)

内容
◆第1部(13:30-15:00):「教育の情報化は英語学習をどう変えたか」
ICTの活用によって教室の中に海外も含めた実社会を持ち込むことが可能となってきました。QQEnglish などSkypeを用いて海外の母語話者・訓練された英語教師などと会話を行いながら英語を学ぶサービスが多数提供されています。大学の授業の中でこのようなサービスを活用する工夫も報告されています。EnglishCentralのように音声認識の技術を活用して学習者の発音の癖を矯正する学習支援システムも開発されています。Pearsonが提供するVersant English Testは受験者がコンピュータシステムと電話またはインターネット経由で17分間ほど「質問と応答」をした結果を非母語話者音声向けに開発された音声認識エンジンなどを用いて採点し、受験者のリスニング・スピーキング能力を測定します。Versant Writing TestはLatent Semantic Analysisなど自然言語処理技術も応用して受験者のキーボードからの回答を採点します。4技能試験の大学入学試験への導入が話題となっていますが、実際に日本人大学生にこのような試験を実施し、合わせて読解課題に置いて英語の語彙・連語・文法などの言語知識を測る Oxford Quick Placement Testを受験してもらうと、大部分の学生について言語知識と運用能力に大きな乖離があり、リスニング・リーディングが弱いということがスコアの点から確認できます。
◆第2部(15:00-16:30):「英語教育と情報教育はいかに統合されるべきか」
TOEFL iBTを受験しようとしてもコンピュータやキーボードが使えないと限られた時間に求められている回答をすることもできません。理工系の分野では、学部・修士課程で国際的な研究集会で研究発表を行うことが期待されていますが、そのためにはプレゼンテーション・ソフトウェアを使用して発表スライドを用意し、アブストラクトや原稿をオンラインで投稿することが求められます。大学における英語教育では、専門科目や一般教育科目の内容について対話や意見交換ができる英語力の養成が求められていますが、その際にコンピュータ・ネットワークを使用できることが当然の前提となっています。一般的な大学生の英語運用能力では、相手の質問を直ちに理解して自分の考えをまとめて英語で答え、相手の発話の内容に即して的確な質問を直ちに英語で構成することは難しいようです。単純な文であっても主語を疑問詞とする疑問文を文法的に誤りなく構成する英語運用能力がない大学生が多いことがわかってきました。疑問文の構築に関するこのような弱点を紹介した上で、そうした弱点を補うことも目的の一つとして早稲田大学法学部のコンピュータ教室で実践している授業内容について紹介します。
2017.05.13 公開講演会「フィンランドの英語教育」
日時
2017年5月13日(土)13:30~16:30

場所
立教大学池袋キャンパス 11号館3階 A301教室

講師
伊東 治己 氏(関西外国語大学外国語学部教授)

内容
国際学習到達度調査(PISA)での好成績を受け、国内外でフィンランドの学校教育に熱い視線が送られているが、実はPISAの対象となっていない英語教育の分野においても多大な成果を挙げている。しかし小学校から高校までの授業時数は日本の三分の二程度であり、この少ない授業時数でどうしてフィンランドの英語学習者は国際的にもトップレベルの英語力を修得できるのかの理由を分析するとともに、今後の日本の英語教育の在り方について考察を加える。

2016年度

2016.12.08 公開講演会「なぜ読めない、「読めたつもり」に終わるのか:インフォメーション・トランスファーから探る英語リーディングの謎」
日時
2016年12月8日 (木) 18:20~19:50

場所
立教大学池袋キャンパス 8号館8506教室

講師
卯城 祐司 氏(筑波大学人文社会系教授)

内容
いま、資質・能力の育成と主体的・対話的で深い学びを実現する上で、アクティブラーニングの視点が注目されている。アクティブラーニングでは、一方的な知識伝達から能動的な学習への転換が注目されているが、「頭の中にあるものを外に出す」という認知プロセスの外化(がいか)が核となっている(溝上 2014)。英語の学習においても、聞く、話すのみならず、膨大な時間をかけているはずの「読む」ことも不得手であるのは、正にこの外化である「インフォメーション・トランスファー (information transfer)」の概念が欠けているからである。英文を読めたつもりに感じても、深い質問が出ると途端にわからなくなってしまうことがある。また英文情報をより多く頭に入れることが、必ずしも理解につながらないのは何故だろうか。それは、英文を読むと、心の中にその読んだものの痕跡が残ると言われている「心的表象」(mental representation)とも関係がありそうである。「読む」という行為を通して、新しい学力観を共有する必要性を分かち合いたい。
参照:溝上慎一(2014)『アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換』東信堂
2016.11.22 Open Lecture "The Social Life of Methods: Knowledge Production in Applied Linguistics"
公開講演会「応用言語学における知識生産:リサーチメソッドの観点から」
日時
2016年11月22日(火)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス マキムホールM201教室

講師
Dr. Gabriele Kasper (Professor, University of Hawai'i at Manoa)

内容
The methodological literature in applied linguistics illuminates a wide range of qualitative, quantitative, and mixed-methods approaches. These publications promote an understanding of our empirical methods and of how different methods generate data. In the prevalent view, research methods are taken as instruments that are periodically updated, fine tuned or replaced by newer models. By contrast, this talk considers research methods in applied linguistics and elsewhere in the (social) sciences as forms of social practice. For this undertaking we join two cognate research traditions, the longstanding ethnomethodological interest in research methods as practical situated accomplishments (e.g., Lynch, 1993) and several strands within applied conversation analysis, specifically foundational, institutional, and interventional applied CA (Antaki, 2011). The talk shows on the basis of recorded data how researchers and research participants accomplish standard applied linguistic research methods in real time and in this way affords an emic perspective on knowledge production in our field.

(本講演では、応用言語学における知識生産をリサーチメソッドとの関係から考察する。エスノメソドロジーおよび会話分析のメソッドに焦点を当て、実際の記録データをもとに、どのようにリアルタイムで研究が遂行されているのかを解説し、イーミックな視点からの知識生産について考えてみる。)
2016.10.01 Dr. Christian Mair公開講演会③④
「クレオール化:カリブの英語における言語と文化」
「言語学の進歩:技術と人間的要因」
日時
2016年10月1日(土)13:15~14:45、15:00~16:30

場所
立教大学池袋キャンパス 8号館8506教室

講師
Prof. Dr. Dr. h.c. Christian Mair, Chair in English Linguistics, University of Freiburg

内容
講演3:クレオール化:カリブの英語における言語と文化
18世紀のジャマイカ、バルバドス、ギアナなどの英領西インド諸国では、英語と多様なアフリカ系言語と現地での独特な言語的発展の3者が融合し、英語のクレオール化と2つの異なる言語から構成される混成言語の事例の宝庫となっている。カリブ海地域独特のさまざまな言語は、今日でもカリブ海諸国だけでなくアメリカ、カナダ、イギリスへ移住したカリブ海の人々の間で広く使い続けられている。このようなカリブのクレオール言語の特徴的な諸相やアフリカ・カリブの民衆文化は、ノーベル文学賞作家のデレック・ウォルコットやV・S・ナイポールなどの重要な現代文学者の作品に影響を及ぼしている。また、カリブ海の音楽の伝統は、レゲエやダンスホール・レゲエなどの形でドイツや日本といった非英語圏の若者に熱狂的に受け入れられてきている。講演では、カリブ海と世界各地の現代文化との接触について、その歴史的な解説と評価を試みてゆく。

講演4:言語学の進歩:技術と人間的要因
この30年間でデジタル技術は言語学の手法に革命的な変化をもたらした。今日、ボタンを押すだけで、巨大なコーパスやテキスト・データベースから特定の語や言語構造をたちどころに検索することができる。このことは我々以前の世代の研究者が幾代に渡って分析しても成しえなかったことである。『言語構造の世界地図』や電子版の『多様な英語の世界地図』は、教育や研究の分野に新たな視点を提供してくれるものである。自分自身の30年間にわたるコーパス言語学者としての経験に基づき、言語研究の技術革新により可能となった数多くの利点とそれに伴うリスクと危険の両面について考えてゆく。偉大なるコーパス言語学者のジェフリー・リーチ(1936-2014)の言葉を借りれば、コンピュータは「暴君」にもなれば「奴隷」にもなるのであると言う。どちらに転ぶかはこの便利な道具をどう定義するのかという研究者の責任にかかっているのであり、この点につき、自分なりの考えを表明してゆく。
2016.09.24 Dr. Christian Mair公開講演会①②
「多言語世界におけるグローバル英語:言語とグローバライゼーション入門」
「世界都市ロンドン、ニューヨーク、トロントにおける移民と多言語主義について」
日時
2016年9月24日(土)13:15~14:45、15:00~16:30

場所
立教大学池袋キャンパス 8号館8506教室

講師
Prof. Dr. Dr. h.c. Christian Mair, Chair in English Linguistics, University of Freiburg

内容
講演1:多言語世界におけるグローバル英語:言語とグローバライゼーション入門
20世紀と21世紀は、経済、政治、文化の面でグローバル化が進行し、英語が世界共通のリンガ・フランカとしてこれまでない程重要な役割を果たすようになった。その一方で、世界各地では多言語化が進み、英語以外の言語が英語と並行して使用されるという多言語社会もまた数多く出現してきている。講演では、まず英語が現在の地位を獲得するに至った歴史的な経緯を概観し、その上で科学と教育あるいはポップカルチャーと娯楽の分野で、英語が世界共通言語としてどのように用いられてきたのかを具体的な例を挙げて論じてゆく。

講演2:世界都市ロンドン、ニューヨーク、トロントにおける移民と多言語主義について
歴史の皮肉と言うべきか、英語が世界中の非英語圏において歴史上例を見ないほど重要になる中で、英語圏の主要都市ではこれまでにないほど多言語化が進行している。講演では、ロンドン、ニューヨーク、トロントにおける多言語使用の歴史を振り返り、古くは植民地主義や大英帝国にまで遡り、近年ではグローバル化に端を発する今日の移民問題などより現代的な歴史の流れに注目し、これらの都市が辿って来た言語の歴史あるいは文化や社会の歴史を新たな視点から捉えなおしてゆく。
2016.05.20 Dr. Matthias Hutz 公開講演会⑤
「これからのドイツの教育制度」
日時
2016年5月20日(金)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス 8号館8506教室

講師
Dr. Matthias Hutz(マシアス・フッツ) 氏 (フライブルク教育大学教授)

内容
ドイツの教育制度は現在多くの深刻な問題に直面している。第1の問題は、ドイツは連邦制度を取っているため、各州の教育制度は異なっているが、その違いが今ますます顕著になりつつあることである。州により学校教育制度が異なることは、ドイツ国内の人口の移動や教育の質の均等性に大きな障害となっている。第2の問題は、政治的主導によって大学に入学する若者の数が増加し、これまでのドイツの伝統であった学校教育と3年間の徒弟制度を組み合わせた職業教育を受ける若者が減少していることである。第3の問題点は教育制度に密接に関連することであるが、ドイツ国内における文化的・民族的多様性が大幅に増加していることである。2015年初頭より100万人以上の難民、亡命者、移民労働者たちがドイツに流入してきており、その子供たちの多くはドイツ語を話せず、受け入れるドイツの学校にとっては極めて深刻な問題となっている。これら3つの問題点につき、ドイツ社会の将来に対する示唆を含めて議論してゆきたい。
2016.05.19 Dr. Matthias Hutz 公開講演会④
「教育大学における教員養成コース」
日時
2016年5月19日(木)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス 8号館8506教室

講師
Dr. Matthias Hutz(マシアス・フッツ) 氏 (フライブルク教育大学教授)
内容
ドイツの多くの州では、全ての教員養成コースは伝統的には大学(University)で実施されてきているが、バーデン・ヴェルテンベルク州では初等教育と実技学校と基幹学校の教員養成は教育大学(Pädagogische Hochschule)で実施されている。教育大学では、多くの時間を教育関連科目や心理学や教育学に充てるとともに、生物あるいは数学または英語教育といった教科別の教科教育法の教育にも力を入れている。本講演では、教育大学における教員養成コースと大学における教員養成コースとの違いを比較し、2つの教育機関が並列する理由やその賛否両論について詳細に議論をしてゆく。
2016.05.18 Dr. Matthias Hutz 公開講演会③
「ドイツにおける教員養成」
日時
2016年5月18日(水)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス 8号館8506教室

講師
Dr. Matthias Hutz(マシアス・フッツ) 氏 (フライブルク教育大学教授)

内容
ドイツの教員養成は、主として1)大学等の高等教育機関での教員養成、2)初等、中等教育現場での教員養成、3)現職教員を対象とした現場での教員教育、の3つの段階がある。講演では、これらの3つの段階における教員養成を、特に外国語教員養成に焦点を当てて詳細に解説する。その上で、ドイツの大学(University)における伝統的な教員養成あるいは教育大学(Pädagogische Hochschulen)における教員養成を例に取り、様々な教育機関でおこなわれている教員養成について紹介してゆく。最後に、上記の3つの段階で提供される専門的なカリキュラムあるいは様々な形態の試験について紹介し、批判を加えてゆく。
2016.05.17 Dr. Matthias Hutz 公開講演会②
「ドイツの外国語教育制度」
日時
2016年5月17日(火)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス 8号館8506教室

講師
Dr. Matthias Hutz(マシアス・フッツ) 氏 (フライブルク教育大学教授)

内容
最初にドイツの外国語教育一般について触れ、現在までどのような教授法が採用されてきたのか、学校教育で学ぶべき外国語はどのように選択されるのかなどについて解説する。次に外国語教育に関する言語政策あるいは現在進められている改革について触れ、なぜ現在行われている早期英語教育が導入されるに至ったのかを、「欧州共通参照枠」(CEFR)との関係の中で論じてゆく。最後に、今後のドイツの外国語教育の目指すべき方向性について述べる。
2016.05.16 Dr. Matthias Hutz 公開講演会①
「ドイツの教育制度」
日時
2016年5月16日(月)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス 8号館8506教室

講師
Dr. Matthias Hutz(マシアス・フッツ) 氏 (フライブルク教育大学教授)

内容
現在のドイツの教育制度を初等教育、中等教育、高等教育全般にわたって解説する。ドイツは連邦制を採用しているため、教育制度は各州によって大きく異なる。伝統的には中等教育が開始される5年次より、基幹学校、実技学校、ギムナジウムの3コースに分かれるのが一般的であるが、連邦を構成する16の州の中にはその州独自の学校制度を実施している州や、たとえ制度が同じであってもその名称が州によって異なるなど複雑である。講演では、なぜ州によってこれほどまでに教育制度が異なるようになったのかを歴史的に遡って解説し、その長所と短所について議論をしてゆく。

2015年度

2016.03.11 Dr.Susanne Gundermann 公開講演会⑤
「EMIのクラスにおける学生同士のやり取り」(ワークショップ)
日時
2016年3月11日(金)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス 14号館3階D302教室

講師
Dr.Susanne Gundermann ズザンネ・グンダ—マン 氏 (フライブルク大学)

内容
本ワークショップでは、EMIのクラス内で学習効果を高めるための学生同士のやり取りについて取り上げる。EMIの教室では学生間のやり取りが重要になるが、どのようにして学生同士のやり取りを促し、それに対してフィードバックをすればよいのかについての方策やちょっとした工夫などについて見てゆく。加えて、予期せぬ質問などへの対応などについても実際の状況を想定して練習してみたい。
2016.03.10 Dr.Susanne Gundermann 公開講演会④
「EMIの教室内における多様性と異文化コミュニケーション」(ワークショップ)
日時
2016年3月10日(木)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス 14号館3階D302教室

講師
Dr.Susanne Gundermann ズザンネ・グンダ—マン 氏 (フライブルク大学)

内容
本ワークショップでは、英語を使って海外からの学生を教えるにあたり、どうやって理解を深めてゆくのかについて共に考えてゆく。この種のクラスでは多様性の度合いも様々であり、言語や文化の違いから発生する問題点もまた多様である。どのようにして事前に問題となるであろう事柄を予測し、対処するのか、そのチェックリスト化も含めて見てゆく。加えて、学生の理解を促進するためにキーワードを書き出しておく方法や話す場合のイントネーションの使い方などにも紹介してゆく。
2016.03.09 Dr.Susanne Gundermann 公開講演会③
「EMI実施のためのサポート:フライブルク大学の事例より」
日時
2016年3月9日(水)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス 14号館3階D302教室

講師
Dr.Susanne Gundermann ズザンネ・グンダ—マン 氏 (フライブルク大学)

内容
本講演では、フライブルク大学が実施したEMIサポート・プロジェクトを紹介する。このプロジェクトがどのような条件下と歴史的背景の中で実施されたものかを紹介し、プロジェクトの開発と実施の中心的な役割を果たしたEMIQM(English-medium instruction quality management system)について紹介する。EMIQMでは、EMIの質を高めるためのワークショップ、イーラーニングによる教育、教員への助言・指導を行う一方、質を保証するための認定審査や認定証の発行などを行っている。
2016.03.08 Dr.Susanne Gundermann 公開講演会②
「教員と学生から見たEMIの問題とは」
日時
2016年3月8日(火)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス 14号館3階D302教室

講師
Dr.Susanne Gundermann ズザンネ・グンダ—マン 氏 (フライブルク大学)

内容
ドイツの大学においてEMIで展開されるプログラムがもたらす民俗誌学的問題点につき、フライブルク大学で長期間に渡りケーススタディーを行った。その結果、EMIがもたらす問題の多くは、教師や学生が英語を使用することだけに起因するのではなく、EMIにしたがゆえに起こる学生の多様化・多言語化に大きく起因することが分かった。また、その解決には、受け入れ地域の言語文化環境が重要な役割を果たすことも明らかになった。EMIで授業を受けた学生が、プログラムの質の向上のためにはプログラムをどう改善してゆくべきだと考えているのかについて調査したが、その結果も併せて紹介する。
2016.03.07 Dr.Susanne Gundermann 公開講演会①
「高等教育におけるEMI (English-medium instruction)の普及」
日時
2016年3月7日(月)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス 14号館3階D302教室

講師
Dr.Susanne Gundermann ズザンネ・グンダ—マン 氏 (フライブルク大学)

内容
現在、世界各地の高等教育機関ではEMIが急速に普及しつつある。本講演では、ヨーロッパの非英語圏の高等教育機関でEMIが普及しつつある現状を、ドイツの事例を中心に紹介してゆく。なぜ現在のドイツではこれほどまでにEMIが必要とされているのか、EMIで様々なプログラムを提供する教育機関はどのような社会・経済的な利益を期待しているのか、そのプログラムで学んでいる学生やそれを教えている教員はいかなる学術的あるいは個人的なメリットを考えているのかなどについて論じてゆく。

2014年度

2015.01.09 公開講演会「大学の英語教育は国際化にあってどのように変わるべきか —近年の英語教育の3つの二元論を中心に—」
日時
2015年1月9日(金)18:30~20:00

場所
立教大学池袋キャンパス 太刀川記念館3階多目的ホール

講師
森住 衛 氏(桜美林大学特任教授)

内容
大学の英語教育は国際化にあってどのように変わるべきか。本講演はこの問いかけに答えるために、近年の英語教育が遭遇している3つの二元論を中心に取り上げる。3つの二元論とは、(1)「社会教育」vs「学校教育」、(2)「英語教育」vs「他の外国語教育」、(3)「外国語教育」vs「国際補助語教育」である。この3つは、英語教育の座標軸や視座を大局的に定める上で避けて通れない議論である。本講演では、これらを大学における英語教育に焦点を当てて論じるが、できれば、この議論が大学全体の改革にどのように関係するか、英語教育改革の前提にある大学教育はどの方向に向かうべきかを、特に、近年のスーパーグローバル大学として認定された大学の責務にも言及しながら考えてみたい。全体として、現在の大学英語教育が向かうべき方向として、従来から言われているコミュニケーション力の養成、入試や卒業要件に外国資格試験の導入、一般科目や専門科目の英語での授業など直近の課題にどのように対処するかだけでなく、本来、英語教育をはじめとする外国語教育が担うべき、異文化コミュニケーション、人間形成、恒久平和の課題が真のグローバリゼーションに深く関与していることにも言及したい。
2014.06.06 Dr. David Newby 公開講演会⑤
「社会の変化を反映した現代英語の特徴」
日時
2014年6月6日(金)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス マキムホール(15号館)M302教室

講師
Dr. David Newby(本学招へい研究員/応用言語学博士、元グラーツ大学教授)

内容
過去25年間に起こったイギリス英語を中心とした英語の歴史的変化について具体的に示し、この歴史的変化がいかに社会あるいは教育の分野に反映されているのかを論じ、言語と社会との関係を議論してゆく。
2014.06.05 Dr. David Newby教授 公開講演会④
「新しい文法の教え方—実践的ワークショップ」
日時
2014年6月5日(木)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス マキムホール(15号館)M302教室

講師
Dr. David Newby(本学招へい研究員/応用言語学博士、元グラーツ大学教授)

内容
具体的にどのようなアクティビティーを用いて学校の外国語教育現場で文法を教えたらよいのかを、まず講師が実演し、その後は参加者にも加わってもらい、テーブルを囲んでの実習形式で進めてゆく。(参加形式をとるため人数制限あり。参加者は原則として前日の文法に関する講演を聞くことを条件とする。)
2014.06.04 Dr. David Newby 公開講演会③
「新しい文法の教え方—認知文法+コミュニカティブ・アプローチ」
日時
2014年6月4日(水)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス マキムホール(15号館)M302教室

講師
Dr. David Newby(本学招へい研究員/応用言語学博士、元グラーツ大学教授)

内容
認知文法は比較的新しい学問領域であり、学校教育の現場において外国語教育に様々な応用が可能な文法理論でもある。講演では、認知文法の理論的な部分に焦点を当てて理解を深めるとともに、認知文法をどのようにして学校教育の現場で外国語の文法教育に使ってゆけばいいのかについて、具体的な例を数多く示し、理解を深めてゆく。
2014.06.03 Dr. David Newby 公開講演会②
「「語学教育実習生のためのヨーロッパ・ポートフォリオ」(EPOSTL)とは何か」
日時
2014年6月3日(火)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス マキムホール(15号館)M302教室

講師
Dr. David Newby(本学招へい研究員/応用言語学博士、元グラーツ大学教授)

内容
European Portfolio for Student Teachers of Languages (EPOSTL)は、外国語教師を目指して教職課程で学習している学生に対して、CEFRに基づいて開発された「ヨーロッパ言語ポートホリオ(ELP)」のひとつであり、CEFRの理念を浸透させることを目標にしている。EPOSTLでは、合計7領域(Context, Methodology, Resources, Lesson Planning, Conducting a Lesson, Independent Learning, Assessment of Learning)にわたり、197の自己評価リスト(CAN-DOリスト)が示されている。講演では、EPOSTLに示された原義・原則と、その教員養成における活用方法について議論してゆく。最近公にされた、日本版EPOSTLであるJ-POSTLについても言及してゆく。
2014.06.02 Dr. David Newby 公開講演会①
「「欧州言語共通参照枠」(CEFR)とは何か」
日時
2014年6月2日(月)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス マキムホール(15号館)M302教室

講師
Dr. David Newby(本学招へい研究員/応用言語学博士、元グラーツ大学教授)

内容
Common European Framework of Reference (CEFR)とは、ヨーロッパにおける外国語学習のレベル別到達度目標である。CEFRは過去10年以上にわたりヨーロッパの外国語教育に多大な影響を与えてきたが、とりわけ、学校の教育課程、教材、試験に対する影響は極めて大きいものがある。講演では、CEFRについて概観し、その背景にある理論および歴史的背景について詳細な説明を加え、CEFRとは何かについて議論してゆく。

2013年度

2013.06.06 マイケル・ホイ教授 公開講演会④
「文法的結束性、意味的結束性、メンタルレキシコン」
日時
2013年6月6日(木)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス マキムホール(15号館)M202教室

講師
マイケル・ホイ 氏(リバプール大学副学長/本学招へい研究員)

内容
文法的結束性の研究は語彙をそれぞれが独立したものと捉え、その上での語彙間の結びつきを研究するという考え方に基づいているが、最近のコーパス言語学では、語彙は複数の語で構成され、語と語の境界線を語と語の間で引くのではなく、コロケーションを基にした複数の語のまとまりとして考えるようになってきている。伝統的な考え方の結束性と新たなコロケーションという考え方の関係をどう調和させ、言語の使用形態の実態を解明してゆくべきかについて、新たな知見を踏まえて議論を進めてゆく。
2013.06.05 マイケル・ホイ教授 公開講演会③
「パラグラフ、文章構造、語彙選択」
日時
2013年6月5日(水)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス マキムホール(15号館)M202教室

講師
マイケル・ホイ 氏(リバプール大学副学長/本学招へい研究員)

内容
パラグラフの研究は19世紀以来行われてきているが、近年のコーパス言語学の進展により、パラグラフや文章の構成形態に対する考え方に大きな変革が起こっている。特に、これまでトピックセンテンスと呼ばれる文については、伝統的な考え方では説明のつかない様々な現象が文章内の構成要素間の関係で新たに発見され、これまでのパラグラフの概念を超える研究の進展を見せるに至っている。本講演では、この分野の新たな知見を紹介してゆく。
2013.06.04 マイケル・ホイ教授 公開講演会②
「語の意味、語彙間の意味的関係、コーパス言語学」
日時
2013年6月4日(火)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス マキムホール(15号館)M202教室

講師
マイケル・ホイ 氏(リバプール大学副学長/本学招へい研究員)

内容
西洋では伝統的に語彙間の意味的な関係を、同意語(類義語)、反意語、下位語、多義語などの観点から分類し、言語における意味を論ずるにあたっては形態素という概念を用いてきた。しかし、近年のコーパス言語学の発達により、これらの語の意味分類や概念は、一般論としての有用性はあるものの、再考すべき時期に来ていることが次第に明確になってきている。本講演ではこれらの分類および概念は根本的に別次元のものであり、両者の関係は見直されるべきであることを議論してゆく。
2013.06.03 マイケル・ホイ教授 公開講演会①
「レキシカル・プライミング」
日時
2013年6月3日(月)18:30‐20:00

場所
立教大学池袋キャンパス マキムホール(15号館)M202教室

講師
マイケル・ホイ 氏(リバプール大学副学長/本学招へい研究員)

内容
英語母語話者はその言語使用が非母語話者に比べて「流暢」(fluent)であると言われているが、そもそも流暢とはどのような言語学的、心理学的現象を指しているのか、なぜ母語話者は流暢な言語使用が可能なのかなどについて、コーパス言語学の研究成果を踏まえつつ、心理学のプライミングという観点から説明を試み、言語を使用するとはどのような心理言語学的過程を経て行われているものなのかを解明してゆく。

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