公開講演会「女性・平和・安全保障(WPS)アジェンダの実装—NATOの取り組みから学ぶ」
INFORMATION
国連安保理決議案1325から始まる一連の国連決議、『女性・平和・安全保障(WPS)』アジェンダでは、武力紛争によって不利な影響を受ける者の大部分が女性と子どもであると指摘し、和平調停、紛争解決、紛争予防、平和維持、平和構築の各段階で女性や子どものニーズへの対応が強調されている。しかしながら現状では、紛争地や難民キャンプなどにおける治安維持や復興・復旧に関わる活動において、ジェンダーの視点や女性の参画が求められているにも関わらず、それに適切に対応できていない。
WPS関連の安保理決議が2000年に初めて採択されてから20年が経過し、国連や様々な国際機関、欧米諸国を中心に「新たな20年」としてWPSアジェンダを推進する動きが加速している。その中で、北大西洋条約機構(NATO)はWPSアジェンダの推進に取り組み、ジェンダー平等の促進やすべての活動にジェンダーの視点を取り入れることを同盟国に義務づけ、支援している。本講演会では、NATOのWPS担当事務総長特別代表であるフィリン氏をお招きし、NATOおよびNATO加盟国の先進的な取り組みを学ぶことを通じて、現場レベルで女性の参画を増やし、ジェンダーの視点をさらに強化するための取り組みについて議論する。また、日本の復興・開発支援、平和構築におけるWPSアジェンダの実施に向けた動きについても議論を深める。
当講演会は、学部公開講演会『言語と社会や文化を<つなぐ>:世界と切り結ぶ異文化コミュニケーション』の一環として開催します。
講師
パネリスト
NATO(北大西洋条約機構)事務総長特別代表、女性・平和・安全保障WPS担当
Irene Fellin 氏
国連機関やその他国家機関の国際コンサルタントとして15年以上の経験を持つ。また、国際安全保障における女性たち(WIIS)、ローマの国際問題研究所(IAI)、ブリュッセルのNATO本部でシニア・ジェンダー・アドバイザーとして勤務。
防衛研究所特別研究官
岩田 英子 氏
防衛省(当時:防衛庁)にて内局防衛局(現:防衛政策局)調査第2課(現:調査課)・分析官、在日米軍司令部(USFJ)統幕連絡官、小平学校・英語教官、情報本部・分析官として勤務。2009年4月から防衛研究所で、研究部、理論研究部、政策研究部、そして、現在は、特別研究官(国際交流・図書)付として研究活動に従事。
モデレーター
公益財団法人笹川平和財団平和構築支援グループ主任研究員
堀場 明子 氏
衆議院議員政策担当秘書などを経て現職。東京工業大学、法政大学にて非常勤講師。上智大学大学院にて博士号(地域研究)取得。専門は紛争分析、平和構築、東南アジア地域研究。現在は、深南部タイにおける紛争解決支援、WPSの推進などに従事。
詳細情報
名称
内容
11:00 開会挨拶、趣旨説明
11:05~11:20 プレゼンテーション:Irene Fellin氏
11:20~12:00 パネルディスカッション:堀場明子氏、Irene Fellin氏、岩田英子氏
12:00~12:30 質疑応答
12:30 閉会