公開シンポジウム「歴史学者と語る歴史学の未来—中高生との関わりを中心に—」
INFORMATION
歴史総合の導入、パブリックヒストリーの隆盛、四半世紀ぶりの『岩波講座世界歴史』の刊行などもあり、歴史学研究の成果を一般読者に伝える活動は盛んである。しかしそこからさらに踏み込んで、中高生と対話をおこなう歴史研究者は必ずしも多くはない。本シンポジウムでは、中高生を対象にした歴史の語りに先駆的な業績をあげてきた本郷氏と羽田氏が、彼らに歴史を伝える意義、近年の教育改革との関連、これからの歴史学と歴史教育に携わる人々がどのような意識を持つべきか等、自らの実践を踏まえながら基調報告を行う。それを踏まえ、高校教員の立場で世界史研究と授業実践をおこなっている小川氏、研究者の立場で歴史教育やパブリックヒストリーにも積極に関与している岡氏、公立のIB校教員としてグローバルな進学先に向けた先駆的な歴史教育を実践している徳原氏にも報告いただき、歴史学と歴史教育をつなぎ得るよう議論をひらいた上で、ラウンドテーブルでフロアを交えた議論を行う。
講師
本学文学部史学科日本史学専修
佐藤 雄基
東京大学史料編纂所教授
本郷 和人 氏
文学博士(東京大学)。主な著作に『新・中世王権論武門の覇者の系譜』(新人物往来社、2004年/文春学藝ライブラリー(文庫)、2017年)、『歴史学者という病』(講談社現代新書, 2022)ほか多数。
東京大学東京カレッジカレッジ長、東京大学東京カレッジ教授
羽田 正 氏
文学博士(パリ第三大学)。主な著作に『新しい世界史へ—地球市民のための構想』(岩波新書、2011)、『グローバル化と世界史』(東京大学出版会、2018)、『角川まんが学習シリーズ世界の歴史』(総監修、角川書店、2021)ほか多数。
長野県立伊那弥生ヶ丘高等学校教諭
小川 幸司 氏
文学士(東京大学)。主な編著作に『世界史との対話』全3巻(地歴社、2012)、『岩波講座世界歴史 01世界史とは何か』(責任編集、岩波書店、2021)、『世界史とは何か 「歴史実践」のために』(岩波新書、2023)ほか多数。
東京大学史料編纂所准教授
岡 美穂子 氏
博士(人間・環境学、京都大学)。主な編著作にThe Namban Trade : Merchants and Missionaries in 16th and 17th Century Japan(Leiden, 2021)、『つなぐ世界史1古代・中世』(清水書院、2023)ほか多数。
神奈川県立横浜国際高等学校教諭
徳原 拓哉 氏
東京大学大学院情報学環修士課程在学中。主な著作に「歴史的「見方・考え方」育成としての「概念」学習—「問いのフラクタル化」構造を利用した生徒記述の変容分析を通じて—」『横浜国際高校研究紀要』第1号(2022)、「インターネットがつなぐ世界(BLM運動)」井野瀬久美恵編『つなぐ世界史3』(清水書院、2023予定)ほか。
詳細情報
名称
内容
13:30~13:40 趣旨説明:佐藤雄基
13:40~14:00 日本史研究と歴史教育の未来:本郷和人氏
14:00~14:20 地球の未来と歴史の教育:羽田正氏
14:20~14:30 歴史研究・小説・映像・マンガの網の目から世界史の授業をつくる:小川幸司氏
14:30~14:40 歴史学の研究成果を市民に伝えるということパブリックは《歴史》に何を求めているのか?:岡美穂子氏
14:40~14:50 青少年からみた歴史学習メディアとしての漫画と教育実践:徳原拓哉氏
14:50~15:10 休憩
15:10~16:30 ラウンドテーブル
対象者
申し込み
- 事前申し込み 必要
- 参加費 無料
公開シンポジウムへの参加は無料ですが、会場の収容人数に制限があるため、リンク先より登録をお願いします。会場参加は収容人数に達し次第締め切らせていただきます。