公開講演会「アジアの知られざる紛争と平和構築の現状」
INFORMATION
学部公開講演会『言語と社会や文化を<つなぐ>:世界と切り結ぶ異文化コミュニケーション』の一環として
国際社会の注目がロシア・ウクライナ情勢に注がれる中、東南アジア、南アジアといった地域で続く紛争やそこにアプローチする平和構築活動については、注目が集まることが少ない。バングラデシュのチッタゴン丘陵地帯における衝突、ミャンマーにおけるクーデター発生と兼ねてより続く武力衝突、タイ深南部(パタニ)の紛争など、アジアにおける紛争や平和構築の実情に関しては、その深刻の度合いに反して、十分な情報発信が行われているとはいえない現状がある。
こうした実情を踏まえて、本学(研究代表:日下部尚徳・異文化コミュニケーション学部准教授)では公益財団法人笹川平和財団平和構築グループからの受託研究事業として、本分野の情報発信を積極的に実施する情報ウェブサイト「アジア平和構築イニシアティブ(APBI)」のリニューアルを昨年実施し、アジアの紛争や平和構築の現状に関する情報発信の強化を行っている。
本公開講演会では、これらの分野で長年多くの知見を発信し続けている大阪大学名誉教授の星野俊也氏、静岡文化芸術大学教授の下澤嶽氏、公益財団法人笹川平和財団平和構築支援グループ主任研究員の堀場明子氏をお招きし、アジア地域の知られざる紛争とそれらの地域の平和構築の現状について伺い、本分野における情報発信の課題と今後の展望について議論を行う。
講師
大阪大学名誉教授、日本国連協会理事、韓国・慶熙大学校客員教授
星野 俊也 氏
2017年8月から3年間、国連日本政府代表部大使・次席常駐代表を務めた。上智大外国語学部卒。東京大学大学院総合文化研究科を経て阪大より博士号(国際公共政策)を取得。在米日本大使館専門調査員、プリンストン大学客員研究員、コロンビア大学客員学者、日本国際問題研究所主任研究員、国連日本政府代表部公使参事官などを経て現職。大阪大学では副学長も歴任。
静岡文化芸術大学文化政策学部国際文化学科教授、多文化・多言語教育研究センター長
下澤 嶽 氏
1981年愛知大学法経学部経済学科卒業。英国CSV(Community Service Volunteers)の1年間ボランティアに参加。帰国後、日本青年奉仕協会、世田谷ボランティア協会を経て、1988年にはシャプラニール(市民による海外協力の会)の駐在としてバングラデシュへ。1998年より同会事務局長。2002年に退職し、平和構築NGOジュマ・ネット代表を務める傍ら、2006年からは国際協力NGOセンター(JANIC)事務局長を務めた。
公益財団法人笹川平和財団平和構築支援グループ主任研究員
堀場 明子 氏
上智大学大学院外国語学研究科地域研究専攻博士後期課程修了。博士(地域研究)。ローマの教皇庁立グレゴリアン大学に留学、ボストンのウェストン神学大学院大学(現在ボストンカレッジ)修士号取得。インドネシアやタイをはじめとする東南アジア各地の紛争地で現地調査(特に宗教が対立軸となった紛争に関する調査)、平和構築活動に長年従事。
詳細情報
名称
内容
18:00 開会挨拶、趣旨説明
18:05~19:15 プレゼンテーション
スピーカー
①平和構築の現状:星野俊也氏(大阪大学名誉教授)
②タイ南部の紛争と平和構築:堀場明子氏(笹川平和財団平和構築支援グループ主任研究員)
③バングラデシュ・チッタゴン丘陵の紛争と平和構築:下澤嶽氏(静岡文化芸術大学教授、ジュマ・ネット共同代表)
19:15~19:35 質疑応答
モデレーター
日下部尚徳(本学准教授、受託研究「紛争と平和構築活動に関する情報発信の強化」代表)
19:40 閉会