公開講演会「人権と向き合う現代世界—権力と人権をめぐる現代人類史・誌的省察のために」
INFORMATION
現代世界では、グローバリゼーションの進展、富の偏在の拡大、中国をはじめとする非西洋文化圏の経済的地位の向上につれ、「民主主義」や「自由主義」といった西洋的価値観への反発や懐疑が生じています。これは、先進諸国やその周辺国で、セクシズムやレイシズム等の差別への厳格な忌避の動向に反発する反動政治家が人気を集めるのとパラレルな現象でもあります。人権侵害をめぐる問題は、インターネットの急速な発展により、以前とは比較にならないほど多くのひとびとの耳目にさらされ、幅広く解決を模索されるようになってきています。
しかし、その反面、価値観の相違に基づく社会の分断を生み、国際的緊張を高めることで、一層深刻化の度合いを増しているとも言えます。人権問題に対する西洋的接近法には限界があるのかもしれません。
本公開講演会では、中国、チュニジア、ハンガリー、南スーダンの経済、法、文化、歴史の専門家が、それぞれの対象フィールドの文化的、歴史的な背景を踏まえて、人権問題についての非西洋的な解決策がありうるかについて所見を提示し、フロアを交えて討論を行います。
神戸大学大学院経済学研究科教授
梶谷 懐(かじたに かい) 氏
神戸大学大学院で博士号(経済学)を取得。
主要業績に『中国経済講義—統計の信頼性から成長のゆくえまで』(中公新書、2018年)。
東京大学大学院人文社会系研究科助教
小野 仁美(おの ひとみ) 氏
東京大学大学院で博士号(文学)を取得。
主要業績に『イスラーム法の子ども観:ジェンダーの視点でみる子育てと家族』(慶應義塾大学出版会、2019年)。
本学文学部史学科超域文化学専修准教授
橋本 栄莉(はしもと えり)
東海大学文化社会学部准教授
飯尾 唯紀(いいお ただき) 氏
北海道大学大学院で博士(文学)を取得。
主要業績に『近世ハンガリー農村社会の研究:宗教と社会秩序』(北海道大学出版会、2008年)。