公開講演会「歴史の尺度と人文知の使命」
INFORMATION
アベノミクスと莫大な日本の国家債務、格差拡大や少子超高齢化、イギリスのEU脱退やアメリカのトランプ政権誕生、テロと大災害等々、先行きが不透明な不安の時代には、未来を過去の経験から見通す歴史のメガネが必要だ。この講演では、近代家族と資本主義に貫かれる限りにおいて、長い歴史が25年の尺度で分節化することで見通せることを示す。たとえば戦後日本では、1945年~70年は復興と成長の時代、70年~95年は豊かさと安定の時代、95年~2020年は衰退と不安の時代である。戦前は、1945年から遡って、1920~45年は関東大震災を経て戦争に向かう時代、1895~1920年は日清戦争を経て日本がアジアの帝国になった時代、1870~95年は明治維新を経て近代国民国家を建設した時代である。25年単位で歴史を理解することが、人文学の未来にどのような立場を示すのかを講演ではお話していく。
講師
東京大学大学院情報学環教授・東京大学出版会理事長
吉見 俊哉 氏
1957年生。社会学・文化研究専攻。東大大学院情報学環長・学際情報学府長、東大新聞社理事長、東大副学長・教育企画室長等を歴任。2017~18年にハーバード大学エドウィン・O・ライシャワー客員教授として同大学で教える。主な著書に、『都市のドラマトゥルギー』『博覧会の政治学』『メディア時代の文化社会学』『「声」の資本主義』『万博と戦後日本』『親米と反米』『ポスト戦後社会』『大学とは何か』『夢の原子力』『アメリカの越え方』『「文系学部廃止」の衝撃』『視覚都市の地政学』『大予言』『戦後と災後の間』『トランプのアメリカに住む』等多数。
詳細情報
名称
対象者
申し込み
- 事前申し込み 不要
- 参加費 無料