公開講演会 「Emotions in Early Christianity. Methodological issues and issues of content as exemplified by ὀξυχολία in the Shepherd of Hermas
(初期キリスト教における感情——『ヘルマスの牧者』 における ὀξυχολία〔発作的怒り〕を例にとった方法論的および内容的諸問題)」
INFORMATION
初期ユダヤ教知恵文学には差異化された諸感情の神学的な価値づけが、クムラン教団その他の外典文学には「二つの霊」の教説に基づく人間論の水準での感情の多様な適用が、またパウロには洗礼による人間の根源的変貌とそれに伴う「肉」に属する諸感情の「霊の実り」への転換がそれぞれに見られる。他方で、洗礼による人間の変貌を前提する新約外典『ヘルマスの牧者』では、「二人の天使」が神話的に措定される一方で、発作的怒りは悪魔による外部的影響と解釈され、無意識の感情に関する神学的な自己認識が倫理的省察として要求されるに至る。
講師
ドイツ国アウグスブルク大学教授
Petra von Gemünden(ペトラ・フォン・ゲミュンデン)氏
ドイツ国ノイエンデッテルスアウ、ハイデルベルク、フランス国モンペリエ、ドイツ国エアランゲンにてプロテスタント神学を学び、1989年にハイデルベルク大学神学部にて博士号を取得。1992-1994年にベーテル神学大学助手を勤めた後、1994-2002年にスイス国ジュネーブ大学神学部新約聖書学正教授、2002年から現在までドイツ国アウグスブルク大学の聖書神学正教授。最初期キリスト教および古代地中海世界の諸宗教におけるイメージ言語および感情に関する諸問題を考究した研究で広く知られる。主著に、Vegetationsmetaphorik im Neuen Testament und seiner Umwelt. Eine Bildfelduntersuchung, NTOA 18, Freiburg/CH, Göttingen 1993;Affekt und Glaube. Studien zur historischen Psychologie des Frühjudentums und Urchristentums, NTOA 73, Göttingen 2009、共著に、mit A. Weissenrieder/F. Wendt (Hg.), Picturing the New Testament–Studies in Ancient Visual Images, WUNT II/193, Tübingen 2005; mit G. Theißen, Der Römerbrief. Rechenschaft eines Reformators, Göttingen 2016がある。主要な論文に、“L’arbre et son fruit. Analyse d’un corpus d’images come méthode exégétique”ETR 69, 1994, 315-327;“Palmsymbolik in Joh 12,13”ZDPV 114, 1998, 39-70; “Anger and Aggression as dealt with in Classical Antiquity and in the Sermon of the Mount”、 AJBI 32, 2008, 157-196ほか多数。
詳細情報
名称
(初期キリスト教における感情——『ヘルマスの牧者』 における ὀξυχολία〔発作的怒り〕を例にとった方法論的および内容的諸問題)」
対象者
申し込み
- 事前申し込み 不要
- 参加費 無料