公開シンポジウム 「ムスリマ・ヴェールをめぐる学際研究」
INFORMATION
近年、ヨーロッパ、とりわけフランスにおいてムスリマのヴェールが物議を醸し出している。政教分離と信仰の自由(あるいは表現の自由)という二つの理念の対立がいまになって浮き彫りになってきたのである。こうした問題を背景にして、Alia Al-Saji氏は、ムスリマのヴェールの表象にみてとれる西欧中心的な見方に対して批判的な議論を展開し注目を集めている。本シンポジウムは、その論考を手がかりに、哲学、文化人類学、ジェンダー法学、現代イスラーム研究といった学際的な視点から、西洋的なヴェール表象を相対化し、ヴェールを選択する女性たち自身の視点に根づいたヴェール表象の可能性を模索する。
シンポジスト
McGill University
Alia Al-Saji 氏
マギル大学准教授。専門は、現象学・20世紀フランス哲学、人種問題・フェミニズム研究。Symposia on Gender, Race and Philosophy誌では、共同編集者、Philosophy Compass誌では、フェミニスト哲学部門編集者。共著に “Sartrean Freedom and Bad Faith: Social identities and situations.”Introducing Philosophy for Canadians, ed. Robert C. Solomon & Douglas McDermid(Oxford University Press, 2011), pp. 352-6、論文に、“The Racialization of Muslim Veils: A Philosophical Analysis.”Philosophy and Social Criticism 36, no. 8 (October 2010):875-902など多数ある。
東京大学
後藤 絵美 氏
東洋文化研究所准教授。専門は、現代イスラーム研究。著書に、『神のためにまとうヴェール—現代エジプトの女性とイスラーム』(中央公論新社、2014)、『イスラームってなに? シリーズ1イスラームのおしえ』(長沢栄治監修、かもがわ出版、2017)など多数ある。
島根県立大学
塩谷 もも 氏
島根県立大学准教授。専門は、文化人類学。共著に、『東南アジアのイスラーム』(東京外国語大学出版会、2012)、『ふと感じた「?」を探る:わたしたちの文化人類学Ⅲ』(共同文化社、2014)など多数ある。
室蘭工業大学
清末 愛砂 氏
室蘭工業大学准教授。専門は基礎法学、公法学、新領域法学。共著に、『新版 国際関係論へのファーストステップ』(法律文化社、2017)、また論文に「ジェンダーに基づく暴力の視点から考える安全保障法制-自衛隊の性質の変遷に着目しながら-」(『ジェンダー法研究』、2017)など多数ある。
詳細情報
名称
対象者
当日は、満席になり次第、入場を締め切らせていただきます。
申し込み
- 事前申し込み 不要
- 参加費 無料