公開シンポジウム「医学史をひらく!-医と身体の史料からいまへ」

INFORMATION

  • 2017年6月24日(土)14:30~18:00
  • 池袋キャンパス 11号館3階 A301教室

20世紀後半以降の歴史学は医と身体の問題へ研究の手を伸ばしてきた。それは、1960年代末からのミシェル・フーコーの仕事に触発され、近代的な医と身体の歴史的な相対化を図ることを目的としたものだった。その後半世紀の時を経ても、医と身体の歴史への関心は強まっている。医と身体の問題が、出生前診断や遺伝子治療などの先端医療の問題から健康格差や途上国医療の問題に至るまで、今日の社会においてますます重要視されているからだと言うこともできるだろう。そのような状況について歴史家が何か語りうるとすれば、それは、史料、すなわち過去に書かれた言葉、数字、図像などの遺物を通してである。歴史学は、史料からどのような知見を紡ぎ、現代の医と身体の問題に対して何を言わんとするのか。本公開講演会の狙いはこの点にあり、以下の講師を迎える。風野氏は、近代日本を生きた作家島田清次郎の精神病院入院に関わる記録から、精神病院という空間でものを書き残すことの意味を論じる。廣川氏は、近代日本の開業医の診療録から、西洋医学がローカルなものへと変貌する様相を論じる。高林は、近代イギリスの体温計製造者の史料から身体を数量的に表現する現代の身体観の起源を検討する。さらに、鈴木氏は精神医療史、久保田氏は医療アーカイブズ学の視点から、医と身体の史料の「ひらきかた」について検討を加える。医と身体の史料から、医学史をいまに「ひらく」となにが見えるのか。そこに、今日の社会の行く末、また歴史学の課題のひとつが見て取れるだろう。

詳細情報

名称

公開シンポジウム「医学史をひらく!-医と身体の史料からいまへ」

内容

《講師》
風野 春樹 氏(一般財団法人精神医学研究所附属東京武蔵野病院・リハビリテーション部部長)
廣川 和花 氏(専修大学文学部歴史学科准教授)
高林 陽展(本学史学科准教授)
鈴木 晃仁 氏(慶應義塾大学経済学部教授)
久保田 明子 氏(広島大学原爆放射線医科学研究所附属被ばく資料調査解析部・助教)

対象者

本学学生、教職員、校友、一般
※申込不要、入場無料

主催

文学部史学科

共催

立教大学史学会

お問い合わせ

学部事務1課史学科担当

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