2016年トランスナショナル・シネマ・シンポジウム「グローバル化時代を辺境で生きる若者と日本—70年の時を経た『ドンジュ』—」

INFORMATION

  • 2016年12月4日(日)10:00~18:15
  • 池袋キャンパス 9号館1階 大教室

日本植民地支配下の朝鮮から立教大学に留学後、同志社大学へ転学、最終的にはアジア太平洋戦争下における日本の軍国主義の犠牲となり、福岡の刑務所に収監された後、惜しくも命を奪われた詩人、尹東柱(ユン ドンジュ)の数奇な運命について、彼の生誕100周年に併せて描いた映画「ドンジュ」の日本初上映する。大戦後71年が経過する中で、社会的構造が移り変わった今もなお、彼のように尊厳を踏みにじられ、周縁に追いやられながら困難を生き抜く人々が存在をする。この現状が遠い海外の話ではなく、日本も決して他人事ではない世界的課題であることを認識するために、第一線で活動を続ける本学部の学生の活動状況(南アジア、アフリカ、日本)を映像や写真を用いて紹介する。日本国内外の周縁を生きる人々の存在を顕在化させ、尹東柱の生涯に再び光を当てることで、ここ日本もグローバル危機と決して無関係ではないことを発信する。

講師

映画製作者・脚本家
シン・ヨンシク

2005年『良い俳優』で第10回釜山国際映画祭批評家選出部門へ招待。2010年『フェアラブ』でハワイ国際映画祭招請、韓國映像資料院選定2010年BEST10選定。2012年『ロシアン小説』で釜山国際映画祭最優秀映画監督協会の監督賞、釜日映画賞脚本賞。2013年『俳優は俳優だ』(金キドクフィルム共同製作)が釜山国際映画祭、ロンドン映画祭等に招待。2015年『フランス映画のように』が全州映画祭閉幕作として上映等、多くの国際映画祭で招待、受賞。

映画評論家
チョン・チャンイル

釜山国際映画祭プログラマー、アジア・フィルムマーケット副委員長、研究所長(BIFF Research Institute)を歴任。現在韓國の外国語大学大学院グローバル文化コンテンツ学科兼任教授。著書は評論集『映画の魅惑、残酷な批評』、『チョン・チャンイルの世界映画思潮論1/2』など。

ポッペラ歌手
キム・ソンフィ

韓國芸術総合学校音楽院学士課程卒業、ニューヨークメネス音楽学部(Mannes College of Music)大学院声楽科修士課程修了、漢陽大学演劇映画科博士課程修了、 現、芸術総合学校、白石文化大学外来教授。オペラ『ジャンニスキキ』演出、オペラ『柳寛順』俳優、ミュージカル『The Phantom of the Opera』(劇団四季)、ミュージカル『The Promise』等の出演や企画演出などを歴任。月刊音楽コンクール、音楽・ジャーナルコンクール、イデウン声楽コンクール入賞。

詳細情報

名称

2016年トランスナショナル・シネマ・シンポジウム「グローバル化時代を辺境で生きる若者と日本—70年の時を経た『ドンジュ』—」

内容

グローバル化が加速を続ける一方で世界は未曾有の危機に直面している。その中で見落とされている辺境を生きる人々は日本にも大勢いることはあまり語られない。アジア太平洋戦争下で惜しくも命を落とした詩人、尹東柱を描いた映画「ドンジュ」上映、学生活動の紹介を通し、一人一人の生に着目し、グローバル危機を身近なレベルに落とし込んで考察しながら、シンポジウムを進める。

《司会》
山田 一竹(本学異文化コミュニケーション学部4年)

【第一部】
◆開会挨拶(10:00~10:15)
イ・ヒャンジン(本学異文化コミュニケーション学部教授)
◆詩人尹東柱を記念する立教の会 楊原泰子氏によるスピーチ(10:15~10:30)
◆学生活動報告(10:30~11:45)
日本屈指のグローバル・タウン新大久保へ理解を深めていただいた上で、第一線で国際的な活動を続ける本学部学生が、自身の活動内容について発表すると共に、彼らが実際に見聞し、直に感じてきたグローバル危機へのメッセージを伝える。

■河野 瑠美(本学部3年次)
 「新大久保とは」
■佐々木 千春(本学部4年次)
 「アフリカ、ケニアにおける女性・女児のエンパワメント」
■春田 佳恵(本学部4年次)
 「日本、ファストファッションの弊害とフェアトレードの現場」
■山田 一竹(本学部4年次)
 「南アジア、スリランカにおける紛争後社会の平和構築と民族和解」

【第二部】
◆尹東柱の解説(13:15~13:25)
比嘉 拓巳(本学3年次)「尹東柱と立教」
◆映画上映(13:25~15:15)
「ドンジュ」(イ・ジュンイク、2016)
字幕:日本語および英語
◆詩朗読(15:15~15:45)
使用言語:日本語、韓国語、中国語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語
(異文化コミュニケーション学部生と留学生による)
◆「ドンジュ」ミニ・コンサート(15:45~16:15)
キム・ソンフィ、ポッペラ歌手

【第三部】
◆監督と批評家による対談(16:15~17:45)
シン・ヨンシク(「ドンジュ」脚本・制作)×チョン・チャンイル(映画評論)
《聞き手》
河合 優子(本学異文化コミュニケーション学部教授)
《通訳》
矢野 百合子、李リョン京(本学異文化コミュニケーション学部)
◆質疑応答(17:45~18:05)
◆閉会挨拶(18:05~18:15)イ・ヒャンジン

対象者

本学学生、教職員、校友、一般

主催

異文化コミュニケーション学部

後援

詩人尹東柱を記念する立教の会

備考

※上映映画 『ドンジュ(原題 동주)』 2016年2月、韓国にて公開
監督:イ・ジュンイク
出演者:カン・ハヌル、パク・ジョンミンほか
あらすじ:「輝いていた未完の青春 私たちが記憶しなければならない名前」と副題に称されるように、アジア・太平洋戦争下、日本植民地時代に名前も言語も奪われ、夢も許されない中、28歳という若さでその生涯を終えた実在の詩人ユン・ドンジュとドンジュの生涯の友であり、従兄弟であった、独立運動家ソン・モンギュの人生を描いた渾身の作品。70年の時を経て、彼らの生に光を当てる本作品は人間の尊厳とは何かを強く訴えており、現代社会に問いかけるものは大きい。

お問い合わせ

異文化コミュニケーション学部教授 イ・ヒャンジン TEL:03-3985-4891

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