公開シンポジウム「陶磁器研究の視点 -生産・流通・消費-」※要事前申込
INFORMATION
日本貿易陶磁研究会では、1979年の島根県立博物館におけるシンポジウム以来、多くの研究テーマを掲げて研究集会を開催してきた。研究テーマは、分類・編年・年代の問題、数量分析と組成、一括資料、産地、伝世、流通など多岐にわたっている。また近年は第35回の沖縄大会、第36回山陰大会など、地域に焦点を当てた研究集会が開催され、それぞれのテーマに沿った研究が積み重ねられてきた。
各地で多くの遺跡が調査され、膨大な情報が蓄積される一方で、研究方法が複雑化し、研究者間で充分に課題を共有できていない状況もある。「陶磁器から遺跡を見る」・「遺跡から陶磁器を見る」ために有効な視点、方法は何か、という原点に立ち返る必要もあるのではないか。
今回のシンポジウムでは、「陶磁器研究の視点」をテーマとし、特に、生産・流通・消費を検討するための方法論や分析の視点を中心に、最近の研究成果を取り上げ、議論する場としたい。
講師
国立歴史民俗博物館准教授
荒木 和憲 氏
◆9月17日(土)
日本中世史・東アジア交流史・日朝交流史を主としたテーマで研究活動を行っている。著書に『中世対馬宗氏領国と朝鮮』(山川出版社、2007年)がある。現在、歴博共同研究「中世日本の東アジア交流における海上交通に関する研究」、科研費基盤研究(B)「中世日本の東アジア交流に関する史料の集成的研究と研究資源化」の研究代表者を務めている。
石洞美術館研究員、専修大学文学部非常勤講師
杉谷 香代子 氏
元末明初の景徳鎮窯青花磁器、近世の肥前磁器などの調査研究を行っている。著書・報告書に、「関於元末明初景徳鎮青花磁器的紋様—与絵画関係」『中国古陶磁研究』第13輯、「江戸遺跡出土の明代初期景徳鎮磁器について」『貿易陶磁研究』No.34、「至正様式青花磁器の文様構成」佐々木達夫編『中国陶磁 元青花の研究』高志書院などがあり、また同書に、施靜菲「景德鎮元青花起源之本地因素考察」、刘朝晖「唐青花研究的再思考」の翻訳を掲載している。学術研究助成基金基盤研究C「江戸遺跡と窯資料による肥前色絵磁器の躍進事情の意匠・技術的解明と罹災文化財の復元」の研究協力者を務めている。
公益財団法人愛媛県埋蔵文化財センター調査課副課長兼調査第1係長
柴田 圭子 氏
中世の瀬戸内海沿岸地域、南西諸島出土の貿易陶磁器を中心とした陶磁器研究を行っている。著書・報告書に『湯築城跡』 財団法人愛媛県埋蔵文化財調査センター刊がある。福武財団瀬戸内海文化研究・活動支援助成「貿易陶磁器からみた14世紀の瀬戸内海流通と海賊」の共同研究に参加している。
県立広島大学人間文化学部准教授
鈴木 康之 氏
日本中世における物質文化の考古学的研究をテーマとした研究活動を行っている。主な著書・報告書に『中世集落における消費活動の研究』真陽社、『中世瀬戸内の港町草戸千軒町遺跡』新泉社がある。広島県文化財保護審議会委員を務める。
長崎大学多文化社会学部准教授
野上 建紀 氏
中世~近世の肥前地域を中心に、アジア・中南米の肥前磁器・中国磁器を研究テーマとしている。近年はガレオン貿易と陶磁器流通や、島嶼部の陶磁器生産についても調査研究を行っている。」著書・報告書に『国史跡天狗谷窯跡』2010有田町教育委員会がある。
沖縄県立芸術大学全教育センター教授
森 達也 氏
中国陶磁考古学、陶磁史、東西交流史を研究テーマとする。著書に、『中国青瓷の研究‐生産と流通‐』汲古書院、『陶磁器流通の考古学:日本出土の海外陶磁』(共著)がある。
玉川文化財研究所主任研究員
太田 雅晃 氏
◆9月18日(日)
古墳時代の武装具を主な研究テーマとする。主な著書・報告書に、「帯金革綴式甲冑の製作工程復元の視角」『駿台史學』125、『小田原城三の丸元蔵跡第Ⅱ地点(第3次)・元蔵堀第Ⅱ地点(第2次)発掘調査報告書』などがある。
玉川文化財研究所調査研究員
西本 正憲 氏
神奈川県内の中・近世陶磁器を主な研究テーマとする。主な著書・報告書に、「かわらけからカワラケへ」『神奈川を掘るⅠ』、「東海道藤沢宿遺跡出土のジンボトルとその類例について」『藤沢市文化財調査報告書』第51集、『東海道藤沢宿遺跡 第5地点 発掘調査報告書』などがある。
都城市教育委員会文化財課副主幹
栗山 葉子 氏
南九州における旧石器・縄文時代の石器を主な研究テーマとする。主な報告書に、『横市地区遺跡群 星原遺跡』、『後牟田遺跡』、『横市地区遺跡群 平田遺跡A地点・B地点・C地点』、『庄内小学校遺跡』(いずれも都城市教育委員会刊行)がある。
青山学院大学文学部准教授
菅頭 明日香 氏
考古地磁気を用いた遺跡・考古遺物の年代、産地および使用状況の研究を行っている。主な著書・報告書に、Asuka KANTO and Hideo SAKAI(2014):Identifying the sources of ancient obsidian artifacts in Shinshu based on their magnetic properties, Journal of computer archaeology,Vol.20,pp.33-41、「山東省臨淄斉国故城から出土した漢代鏡笵の磁気物性の研究」アジア鋳造技術史学会誌Vol.6などがある
詳細情報
名称
対象者
※要事前申込、入場無料
申し込み
9月4日(日)までに、はがきまたはE-mailでお申し込みください。
〒153-8904 東京都目黒区駒場4-6-1 東京大学埋蔵文化財調査室 堀内 秀樹 宛
E-mail<貿易陶磁研究会>:[email protected]