文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援」採択 立教大学のグローバル教育は新しいステージへ!
立教大学総長 吉岡知哉
2014/12/17
RIKKYO GLOBAL
OVERVIEW
「スーパーグローバル大学創成支援」に本学の構想が採択され、創立150周年を迎える10年後の2024年を目指した改革が進められることになりました。その具体的な施策はどのようなものなのか、本学はどのような進化を遂げていくのかについて吉岡知哉総長に聞きました。
本年9月、文部科学省平成26年度「スーパーグローバル大学創成支援(グローバル化牽引型)」に本学の構想「グローバルリベラルアーツ×リーダーシップ教育×自己変革力─世界で際立つ大学への改革─」が採択され、創立150周年を迎える10年後の2024年を目指した改革が進められることになりました。その具体的な施策はどのようなものなのか、本学はどのような進化を遂げていくのかについて吉岡知哉総長に聞きました。
《スーパーグローバル大学創成支援とは》
世界レベルの教育研究を行う大学や、海外の大学との連携や大学改革によって国際化を牽引する大学などを重点支援(10年間)することで高等教育の国際競争力を強化することを目的に文部科学省が制定した制度。タイプA(トップ型)、タイプB(グローバル化牽引型)があり、本学が申請したタイプBには93校の応募があり、24校が採択されました。
今後は、構想実現に向けて本学教職員が一丸となって取り組んでいきます。
今後は、構想実現に向けて本学教職員が一丸となって取り組んでいきます。
21世紀型リベラルアーツ教育の確立
立教大学の国際化構想
——今回の採択について率直な感想をお聞かせください。
今後の取り組みに対する責任の重さを改めて感じています。ただ、不遜な言い方になってしまうかもしれませんが採択される自信はありました。
そもそも立教大学は、米国聖公会の宣教師チャニング・ムーア・ウィリアムズ主教によって創立された大学です。その後も海外から多くの宣教師や教員を招いて聖書や欧米の学問を教授してきた歴史があり、国際社会に対する独自の視点を常に持ち続けてきました。その伝統を21世紀のグローバル社会という新たな枠組みの中で捉え直し、高等教育の在り方を模索・再構築していく取り組みはこれまでも行ってきましたので、今回のグローバル大学構想においても当初から手応えは感じていましたし、それらの実績があったからこそ、今回の採択に至ったのだとも考えています。
──今後は実施段階に入っていくわけですが、本学にとってどのような意味を持つ10年間になるとお考えですか。
近年は「グローバル人材」という言葉がクローズアップされています。さまざまな考え方があると思いますが、本学では英語の運用能力や専門分野の深い知識を有することはもちろん、物事を多面的・俯瞰的に捉えることができる能力や他者を柔軟に受け入れる人間性、そして多様な価値観を持つ人々との協働を円滑に進めることができるリーダーシップを兼ね備えた人間のことだと認識しています。そのような人間を育成する上で大きな意味を持つのが本学伝統のリベラルアーツ教育であり、今回のグローバル大学構想においても核となるテーマの一つです。従って、グローバル時代の高等教育モデルとして21世紀型リベラルアーツ教育の在り方を提案・実践するという役割を果たす重要な10年間になると考えています。
──21世紀型リベラルアーツ教育の大切さはどのようなところにあるのでしょうか?
リベラルアーツとは、物事を幅広い視点から捉えて真理を探究し、総合的に判断できる技能を養う知的訓練の体系です。それは個別の専門分野の土台になるとともに、専門分野の枠にしばられない自由な思考や発想を手に入れるための方法論でもあります。現代社会のように技術が急速に進歩し、特定の分野に先鋭化する状況の中では視野が狭くなりがちです。企業も専門性の高い即戦力を求める傾向にあります。しかし、今の学生たちが社会の中核を担う20年後、30年後の社会がどうなっているかは誰も予測できません。従って、本当に必要なのは、時代の変化に柔軟に対応して次の時代を創造・発展させることができる「変革力」なのです。専門分野の確かな知識と他の領域に対する関心を持ち、多様な資質を持つ人々と互いに潜在力を引き出し合って問題解決を図る能力を持つ人を、私たちは「専門性に立つグローバル教養人」と呼んでいますが、そのような人を育成するための基盤となるのが21世紀型リベラルアーツ教育なのです。
今後の取り組みに対する責任の重さを改めて感じています。ただ、不遜な言い方になってしまうかもしれませんが採択される自信はありました。
そもそも立教大学は、米国聖公会の宣教師チャニング・ムーア・ウィリアムズ主教によって創立された大学です。その後も海外から多くの宣教師や教員を招いて聖書や欧米の学問を教授してきた歴史があり、国際社会に対する独自の視点を常に持ち続けてきました。その伝統を21世紀のグローバル社会という新たな枠組みの中で捉え直し、高等教育の在り方を模索・再構築していく取り組みはこれまでも行ってきましたので、今回のグローバル大学構想においても当初から手応えは感じていましたし、それらの実績があったからこそ、今回の採択に至ったのだとも考えています。
──今後は実施段階に入っていくわけですが、本学にとってどのような意味を持つ10年間になるとお考えですか。
近年は「グローバル人材」という言葉がクローズアップされています。さまざまな考え方があると思いますが、本学では英語の運用能力や専門分野の深い知識を有することはもちろん、物事を多面的・俯瞰的に捉えることができる能力や他者を柔軟に受け入れる人間性、そして多様な価値観を持つ人々との協働を円滑に進めることができるリーダーシップを兼ね備えた人間のことだと認識しています。そのような人間を育成する上で大きな意味を持つのが本学伝統のリベラルアーツ教育であり、今回のグローバル大学構想においても核となるテーマの一つです。従って、グローバル時代の高等教育モデルとして21世紀型リベラルアーツ教育の在り方を提案・実践するという役割を果たす重要な10年間になると考えています。
──21世紀型リベラルアーツ教育の大切さはどのようなところにあるのでしょうか?
リベラルアーツとは、物事を幅広い視点から捉えて真理を探究し、総合的に判断できる技能を養う知的訓練の体系です。それは個別の専門分野の土台になるとともに、専門分野の枠にしばられない自由な思考や発想を手に入れるための方法論でもあります。現代社会のように技術が急速に進歩し、特定の分野に先鋭化する状況の中では視野が狭くなりがちです。企業も専門性の高い即戦力を求める傾向にあります。しかし、今の学生たちが社会の中核を担う20年後、30年後の社会がどうなっているかは誰も予測できません。従って、本当に必要なのは、時代の変化に柔軟に対応して次の時代を創造・発展させることができる「変革力」なのです。専門分野の確かな知識と他の領域に対する関心を持ち、多様な資質を持つ人々と互いに潜在力を引き出し合って問題解決を図る能力を持つ人を、私たちは「専門性に立つグローバル教養人」と呼んでいますが、そのような人を育成するための基盤となるのが21世紀型リベラルアーツ教育なのです。
特徴ある取り組みの展開
吉岡知哉総長
──カリキュラム改革の中でも「グローバル教養副専攻」「グローバル・リベラルアーツプログラム(GLAP=グラップ)」の導入が特徴的です。
「専門性に立つグローバル教養人」の育成という目標を達成するために必要な要素をパッケージとしてデザインしたのが今回の構想ですので、どの要素も同等の意義と価値を持っていると思います。ただ、この2つは確かにリベラルアーツ教育の象徴的なプログラムと言っていいかもしれません。専門教育、全学共通カリキュラム(全カリ)、言語教育、正課外教育という4つの教育体系を縦軸に例えるなら、横軸として設置するのが学部横断型のグローバル教養副専攻です。英語による授業を中心として展開されるコースの中から学生が選択履修(4年間で16単位)することでグローバルかつ複眼的に物事を捉える能力を養うことが狙いです。学部の枠や専門領域の垣根を越えて興味・関心のある科目を履修することは既存の全カリの中でも可能でしたが、さらに再編・拡充することで学生が選択しやすいシステムになると思います。また、先進的な試みとして導入するのが、入学時点で学部を選択せず、入学後は外国人留学生たちと共に学ぶコース「GLAP」です。国際バカロレアや英語検定試験などを活用した独自の入試、英語による授業科目のみで学位が取得できるプログラム、混住寮での外国人留学生との共同生活、1年間の海外留学などを通して、国境を越えて活躍するために必要な能力を身に付けた新しいグローバルリーダーを育成することが目的です。
──リベラルアーツ教育とともに構想の柱となっているのがリーダーシップ教育ですが、立教大学が目指すリーダーシップとはどんなものでしょうか。
これまでも経営学部で展開している「ビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)」、グローバル教育センターが提供する全カリ科目「グローバル・リーダーシップ・プログラム(立教GLP)」など、プロジェクト型学習とグループワークを通して、英語力、地球規模の課題解決力、リーダーシップスキルを養成する科目を設置してきました。しかし、ここで言うリーダーとは、人の先頭に立って他の人間を思い通りに動かすカリスマ的な先導者とは少し異なります。ものすごい速度で変化を続ける現代においては、カリスマ性の有効期間も極めて短いからです。本学が目指すのは、組織あるいは社会の中に志を同じくするグループを形成し、メンバー同士がお互いの良さを引き出し合える関係の中で、ある時にはリーダーになり、別の局面ではフォロワーとなるという関係性に立脚したチームリーダーです。そのダイナミクスの生み出し方を訓練することが本学のリーダーシップ教育であり、変化の激しいグローバル社会が必要とするリーダー像を世界に示していくことにもなると考えています。
「専門性に立つグローバル教養人」の育成という目標を達成するために必要な要素をパッケージとしてデザインしたのが今回の構想ですので、どの要素も同等の意義と価値を持っていると思います。ただ、この2つは確かにリベラルアーツ教育の象徴的なプログラムと言っていいかもしれません。専門教育、全学共通カリキュラム(全カリ)、言語教育、正課外教育という4つの教育体系を縦軸に例えるなら、横軸として設置するのが学部横断型のグローバル教養副専攻です。英語による授業を中心として展開されるコースの中から学生が選択履修(4年間で16単位)することでグローバルかつ複眼的に物事を捉える能力を養うことが狙いです。学部の枠や専門領域の垣根を越えて興味・関心のある科目を履修することは既存の全カリの中でも可能でしたが、さらに再編・拡充することで学生が選択しやすいシステムになると思います。また、先進的な試みとして導入するのが、入学時点で学部を選択せず、入学後は外国人留学生たちと共に学ぶコース「GLAP」です。国際バカロレアや英語検定試験などを活用した独自の入試、英語による授業科目のみで学位が取得できるプログラム、混住寮での外国人留学生との共同生活、1年間の海外留学などを通して、国境を越えて活躍するために必要な能力を身に付けた新しいグローバルリーダーを育成することが目的です。
──リベラルアーツ教育とともに構想の柱となっているのがリーダーシップ教育ですが、立教大学が目指すリーダーシップとはどんなものでしょうか。
これまでも経営学部で展開している「ビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)」、グローバル教育センターが提供する全カリ科目「グローバル・リーダーシップ・プログラム(立教GLP)」など、プロジェクト型学習とグループワークを通して、英語力、地球規模の課題解決力、リーダーシップスキルを養成する科目を設置してきました。しかし、ここで言うリーダーとは、人の先頭に立って他の人間を思い通りに動かすカリスマ的な先導者とは少し異なります。ものすごい速度で変化を続ける現代においては、カリスマ性の有効期間も極めて短いからです。本学が目指すのは、組織あるいは社会の中に志を同じくするグループを形成し、メンバー同士がお互いの良さを引き出し合える関係の中で、ある時にはリーダーになり、別の局面ではフォロワーとなるという関係性に立脚したチームリーダーです。そのダイナミクスの生み出し方を訓練することが本学のリーダーシップ教育であり、変化の激しいグローバル社会が必要とするリーダー像を世界に示していくことにもなると考えています。
グローバルキャンパスの実現
──グローバル大学構想には各種の数値目標も定められています。それらを達成した時、本学のキャンパスはどのように変わっているのでしょうか。
2014年度現在、約500人在籍している外国人留学生の受け入れを10年後には全学生の10%にあたる2000人に増やします。そして卒業までに海外を経験する日本人学生を25%から100%にするなどの数値目標を掲げています。5年後、10年後には世界中から集まった学生・教員と日本人学生が英語で議論したり談笑したりする姿を当たり前のように見かけるキャンパスになっていると思います。ただ、数値目標は大学にとっての指標であり、個々の学生にとって大きな意味はないということも忘れてはなりません。一人一人の学生にとって大切なのは、自分が何かしたいと思った時に、その道が開けているかどうかです。留学に関して言えば、留学をしたいと思った時に、海外の大学で授業が受けられる語学力を身に付けているか、希望に沿った留学制度があるか、帰国後の単位認定はどうかなどの方が大きな関心事ではないでしょうか。そして、自分がやりたいことが分からない学生に、それを発見してもらう機会をどれだけ提供できるかが大学の使命なのです。キャンパス内に留学経験のある仲間たちが多ければそれだけで刺激を受けるでしょうし、外国人留学生や教員と日常的に接していれば、海外に出ていく心理的敷居も低くなるでしょう。その環境を整えるための指標が数値目標なのです。
──海外協定大学を増やす計画もありますが、ネットワークの拡充についてお聞かせください。
2014年度現在、海外協定を結んでいる大学は133大学ですが、10年後に300大学に拡充することを計画しています。サウス大学(米国)をはじめとした海外のリベラルアーツカレッジや大学などとの協力関係を強化するとともに、世界聖公会大学連合会(CUAC)を構成する120を超える教育機関との連携をさらに進め、世界水準の大学としての地位を確立させることが目標であり、ダブル・ディグリーおよびジョイント・ディグリー・プログラムの設置にも積極的に取り組む予定です。
2014年度現在、約500人在籍している外国人留学生の受け入れを10年後には全学生の10%にあたる2000人に増やします。そして卒業までに海外を経験する日本人学生を25%から100%にするなどの数値目標を掲げています。5年後、10年後には世界中から集まった学生・教員と日本人学生が英語で議論したり談笑したりする姿を当たり前のように見かけるキャンパスになっていると思います。ただ、数値目標は大学にとっての指標であり、個々の学生にとって大きな意味はないということも忘れてはなりません。一人一人の学生にとって大切なのは、自分が何かしたいと思った時に、その道が開けているかどうかです。留学に関して言えば、留学をしたいと思った時に、海外の大学で授業が受けられる語学力を身に付けているか、希望に沿った留学制度があるか、帰国後の単位認定はどうかなどの方が大きな関心事ではないでしょうか。そして、自分がやりたいことが分からない学生に、それを発見してもらう機会をどれだけ提供できるかが大学の使命なのです。キャンパス内に留学経験のある仲間たちが多ければそれだけで刺激を受けるでしょうし、外国人留学生や教員と日常的に接していれば、海外に出ていく心理的敷居も低くなるでしょう。その環境を整えるための指標が数値目標なのです。
──海外協定大学を増やす計画もありますが、ネットワークの拡充についてお聞かせください。
2014年度現在、海外協定を結んでいる大学は133大学ですが、10年後に300大学に拡充することを計画しています。サウス大学(米国)をはじめとした海外のリベラルアーツカレッジや大学などとの協力関係を強化するとともに、世界聖公会大学連合会(CUAC)を構成する120を超える教育機関との連携をさらに進め、世界水準の大学としての地位を確立させることが目標であり、ダブル・ディグリーおよびジョイント・ディグリー・プログラムの設置にも積極的に取り組む予定です。
大学も学生も変わり続ける努力を
池袋キャンパスを歩く留学生と日本人学生たち
──今後、立教大学が変わっていくためには大学全体が自己変革力を確立することが求められると思います。その中で学生たちに期待されていることは?
先ほども触れましたが、本学にはやりたいことを自分で見つけられる環境があり、それを後押ししてくれる仲間や先生方がいます。今後はさらに多様な出会い、気づき、発見をもたらしてくれる制度も拡充します。1年次の必修科目として既に行われている能力別少人数クラスの「英語ディスカッション」を例に取れば、英語で発言しなければならない授業に不安を抱えていた学生たちが、「やればできる」「やってみれば面白い」ということに気付き、外国語科目に本気で取り組むようになるということがあります。また、先輩たちがBLPや立教GLPなどのプログラムに面白そうに取り組んでいれば、「自分にもできるだろうか」「自分もやってみたい」と思うはずです。その時に大事なのは、実際に動き出すこと、そして自分の意識がどのように変わっていったのかを次の学年に伝えることで良い影響をつなげていくことだと思います。そういう連続性の中に自分がいるということを意識してほしいと思います。
──最後に保護者の方たちにメッセージをお願いします。
教育懇談会などで保護者の方と接する機会があるのですが、首都圏以外から子どもを送り出している方は、距離的に離れている分、精神的な距離の取り方が上手で、私も学ぶことが多くあります。逆に一緒に暮らしていると、つい口出しをしたくなるものです。それが全て悪いとは言えませんが、子どもの自立を助けるという意味でも、あまり干渉せず、温かく見守ってほしいというのが私の願いです。私自身もそうなのですが、大人は自分の世界観を通して子どもを見がちです。しかし、実は私たちの感覚では計れない全く新しい何かを生み出そうとしているかもしれないのです。
20歳前後の年頃は、思いもかけないスピードで変化・成長するものです。本学は、その成長を促し、次の時代を支えるグローバルな能力や豊かな人間性を養えるように、さまざまな教育改革に取り組んでいます。子どもたちを信じるとともに本学の取り組みにもご理解をいただき、「アジアを代表し、世界で際立つ大学」を目指す道のりにお力添えいただきたいと思っています。
先ほども触れましたが、本学にはやりたいことを自分で見つけられる環境があり、それを後押ししてくれる仲間や先生方がいます。今後はさらに多様な出会い、気づき、発見をもたらしてくれる制度も拡充します。1年次の必修科目として既に行われている能力別少人数クラスの「英語ディスカッション」を例に取れば、英語で発言しなければならない授業に不安を抱えていた学生たちが、「やればできる」「やってみれば面白い」ということに気付き、外国語科目に本気で取り組むようになるということがあります。また、先輩たちがBLPや立教GLPなどのプログラムに面白そうに取り組んでいれば、「自分にもできるだろうか」「自分もやってみたい」と思うはずです。その時に大事なのは、実際に動き出すこと、そして自分の意識がどのように変わっていったのかを次の学年に伝えることで良い影響をつなげていくことだと思います。そういう連続性の中に自分がいるということを意識してほしいと思います。
──最後に保護者の方たちにメッセージをお願いします。
教育懇談会などで保護者の方と接する機会があるのですが、首都圏以外から子どもを送り出している方は、距離的に離れている分、精神的な距離の取り方が上手で、私も学ぶことが多くあります。逆に一緒に暮らしていると、つい口出しをしたくなるものです。それが全て悪いとは言えませんが、子どもの自立を助けるという意味でも、あまり干渉せず、温かく見守ってほしいというのが私の願いです。私自身もそうなのですが、大人は自分の世界観を通して子どもを見がちです。しかし、実は私たちの感覚では計れない全く新しい何かを生み出そうとしているかもしれないのです。
20歳前後の年頃は、思いもかけないスピードで変化・成長するものです。本学は、その成長を促し、次の時代を支えるグローバルな能力や豊かな人間性を養えるように、さまざまな教育改革に取り組んでいます。子どもたちを信じるとともに本学の取り組みにもご理解をいただき、「アジアを代表し、世界で際立つ大学」を目指す道のりにお力添えいただきたいと思っています。
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご注意ください。
※本記事は季刊「立教」231号 (2014年12月発行)をもとに再構成したものです。定期購読のお申し込みはこちら
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