再生の旅路がはじまる
チャプレンのことば
2023/08/21
キリスト教とチャペル
OVERVIEW
チャプレンからのメッセージです。
チャプレン 中川 英樹
再生の旅路がはじまる
世界の秩序、価値観を一変させた新型コロナウイルス感染症も一定の落ち着きを見せ、人々の生活も徐々に回復しつつあります。3年に及ぶパンデミックの中で私たちは見えないウイルスと対峙 しながら、けれど見えない大切なものによって生かされ支えられている存在との自己理解を深めました。しかし他方で厳しいディスタンスを強いられることで、たくさんのことを諦めたり、大切なものを手放したりしてきました。今、コロナ禍を過ぎ越した私たちがすべきはコロナ前に戻ることなのではなくて、前に歩き出すことです。私たちの再生は、まずもって失ったモノたちを拾い集め、手放したモノたちをつなぎ直すことからはじまります。私たちが先に進むためには、その再生の作業が必要なのです。さらに、その再創造の業は私たちのこれからの希望でなければなりません。「私は彼らに一つの心を与え、彼らの内に新しい霊を授ける」この言葉は預言者エゼキエルがバビロニアの捕囚の民たちに向けて語られた神による回復の約束です。神からの新しい霊が私たちに希望を与え、先へと歩み出す、その脚を強めてくださるのです。希望に満たされた、私たちの新しい創造、再生の旅路が今はじまります。
※本記事は季刊「立教」265号(2023年7月発行)をもとに再構成したものです。バックナンバーの購入や定期購読のお申し込みはこちら
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